highriseの日記

自転車に乗ったり、外れ馬券を買ったりしている。

ツール・ド・フランス一週目のまとめ

アクシデントだらけの一週目でした。

第1ステージ

今年のツールのスタートは干潮時に現れる道から。そこに至るまでのパレード走行でグライペルが落車して、アクチュアルスタートが切られる前にメディカルカーのお世話になっていたのが印象的でした。
そして何より、残り約10km地点でイグリンスキーが沿道の観客と接触して落車。イグリンスキーが集団側に倒れたので、大落車となり、道は塞がれ、総合優勝狙いの選手の中ではコンタドールサムエル・サンチェスが取り残されてしまった。これに乗じてBMCとレディオシャックが前の集団を牽きまくり。これが第1ステージじゃなくて、例えばコンタドールマイヨジョーヌを着た状態だったらとか思うけど、それはタラレバの話。
さらにコンタドールは残り3km地点での落車でも足止めを喰らい、初日で1分20秒もの差をつけられてしまった。残り3km地点での落車に巻き込まれたアンディ・シュレクは救済措置があるけど、コンタドールは救済なし。
初日のマイヨジョーヌ獲得は登りフィニッシュを制したジルベールアルデンヌクラシックのような登りのゴールだと本当に手がつけられない。

第2ステージ

チームタイムトライアルの一日。マイヨアポワを着たフースホフトに笑った。ガーミン・サーヴェロが最速タイムを叩き出し、フースホフトマイヨジョーヌをゲット。
そしてレオパード・トレックのシュレク兄弟は本当にTTだと役に立たないw

第3ステージ

逃げたグティエレスがバイクカメラにツバをつけるイタズラを二回も。敢闘賞を貰えなかったのはこれのせいじゃないのかと。
この日はつるぺた平坦ステージなので、トレイン組んでのスプリントバトルかと思いきや、早くから集団を牽かされたHTCのトレインが途中で崩壊、ガーミン・サーヴェロがミラー、フースホフト、ジュリアン・ディーンの順に切り離して発射されたタイラー・ファラーがステージ制覇。マイヨジョーヌが発射台になる贅沢なトレイン。
STAGE 3 - L'image du jour / Image of the day - YouTube

第4ステージ

この日のゴールは3級山岳のミュール・ド・ブルターニュを登り切ったところ。これだと総合を狙う選手や、ジルベールみたいに登りでアタックができる選手しか残れないと思いきや、一人だけ黄色いガチムチの男が必死に喰らい付いていって、なんとタイム差なしでゴールw
カヴェンディッシュやファラーといったスプリンター達が早々に仕事を終えて後方に下がったのとは対照的にフースホフトの兄貴が大激走。
そして優勝したエヴァンスと並んでゴールした2位のコンタドールがガッツポーズしちゃう恥ずかしいシーンも。99年の有馬記念のようだった。
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第5ステージ

アップダウンこそあれ、基本的には普通の平坦ステージのはずだったのだが、落車に次ぐ落車で不穏な空気に。序盤にシャヴァネルやウィギンスが落車していたのは序の口で、中間スプリント地点を通過した後、ブライコヴィッチやヘーシンクが巻き込まれた落車が発生、すぐには動けなかったブライコヴィッチは病院行きでリタイア。それも束の間、今度はコンタドールが落車してバイク投げ。さらに、サクソバンクのニキ・セレンセンがカメラマンを乗せたバイクに引っ掛けられて落車し、自転車だけズルズル引き摺られていく始末。初日のコンタドールといい、サクソバンクはチーム丸ごとお祓いに行くべき。などと思っていると、今度はボーネンが落車。再スタートしてタイムオーバーを回避するべくアシストとともに前を追ったけれども、ジャージは破れ、血が滲み、本当に痛々しかった。エウスカルテルのベラスコがゴールに近い街中の狭い道でフェンスと接触して落車していて、本当に落車の多い一日だった。
STAGE 5 - L'image du jour / Image of the day - YouTube
最後はボアッソンハーゲンが早漏気味に早仕掛け、それを後ろからフェイユ、フースホフトジルベール、ボネが追いかけ、その大外からカヴェンディッシュが一人で飛んできて差し切って今年のツール初勝利。当然のごとく嬉し泣きした後の顔でインタビューに出てきたカヴェンディッシュさんにワロタ。

第6ステージ

白い新人賞ジャージのジェレイント・トーマスに先導されたボアッソンハーゲンがきれいに発射されてステージ優勝。
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ちなみにこの日はライプハイマーが救済される寸前のあたりで単独で落車。レディオシャックもお祓いが必要なレベル。

第7ステージ

この日もつるぺた平坦ステージ。これは集団スプリントですなと思っていたものの、この日も落車多発。
道中、急にボーネンがペースを落として停車、自ら自転車を降りる。あ、これは、もしかして……ということで、残念ながらボーネンはリタイア。先日の落車の影響でベルギーの英雄がツールを去ることに。
で、今日もクロイツィゲルポポヴィッチが巻き込まれたり、ウィギンスが巻き込まれたりと落車が続く。前哨戦のクリテリウム・ドゥ・ドーフィネを勝って調子が良さそうだったウィギンスは鎖骨骨折でリタイア。そしてウィギンスとともにレディオシャックのホーナーも巻き込まれ、しばらく動けず。結局一人で追走してゴールには辿りついたのだけれども、後のニュースなどによれば、頭を打っていたようで、ゴールしたときには、なぜ自分がこんなに遅れているのか、いつ落車したのか、何kmぐらい一人で走ってたのか、などなどの記憶がない状態だったという。そのまま病院直行。
さらにレディオシャックは受難、ライプハイマーがゴールまで残り5kmぐらいでパンク。ブライコヴィッチ、ライプハイマー、ホーナー、クレーデンとエース級を4人も揃えていたのに、無傷なのはクレーデンだけという惨憺たる状況。しかも全部アクシデントでってのが悲しい。
最後はHTCが9人全員で組まれた世界最速の芸術的なトレインからカヴェンディッシュを発射してステージ制覇。

第8ステージ

ホーナーがDNSということで、レディオシャックで総合の望みがあるのはクレーデンのみになってしまった。9人のうち4人も総合上位を狙える陣容だったのに。
この日はなんといってもヴィノクロフ大佐のアタック。このツールを最後に引退ということで、なんとしてもマイヨジョーヌを着たいという思いの詰まったアタック。最後は失速してしまったが熱い走りだった。結果的にこれが最後の見せ場となってしまったのだが……
勝ったのはモビスターのルイ・コスタ。逃げ集団から抜け出し、最後は独走で逃げ切り。その後ろにジルベールを先頭にした集団。そして今日も登りゴールなのに黄色いジャージのガチムチでゴツい人が集団の中で一人踏みまくっている姿が。フースホフト本人も第8ステージでマイヨジョーヌを失うことになるだろうってコメントしてたのに、終わってみればマイヨジョーヌをがっちりキープ。この人の登坂能力どうなってるのw
STAGE 8 - L'image du jour / Image of the day - YouTube
他のスプリンターのみなさんはもちろんグルペットでゴール。

第9ステージ

ツール・ド・フランスの一週目の今日で終わって明日は休息日、アクシデントが多い週だったなと思いきや、この日は最悪な状況に。
まず、峠の下りで大規模な落車が発生。崖下へ転落していったのはヴィノクロフ。アスタナのアシスト陣が両脇を抱えて引き摺り上げるも、大腿骨、骨盤の骨折だそうでリタイア。そのまま病院へ搬送。現役最後のレースをこのような形で去ることになるとは。大佐、おつかれさまです。
この落車の中にはオメガファーマ・ロットのファンデンブルックと、レディオシャッククレーデンも含まれており、ファンデンブルックは鎖骨骨折でリタイア、オメガファーマ・ロットは総合狙いのエースを失うことになった。クレーデンはリタイアこそしなかったものの、レディオシャックのエース4人衆の最後の砦もついに手負いの状態に。
STAGE 9 - L'image du jour / Image of the day - YouTube
レースはヴォクレールルイスレオン・サンチェス、カザール、フレチャフーガーランドの5人の逃げ。集団は落車の影響でペースが上がってこないし、逃げの5人はなかなか濃いメンバー。これなら逃げ切りもあるだろうし、集団とのタイム差によっては……などと思っていると、この逃げ集団で最悪なアクシデント。テレビ局の車がフレチャの横を併走しているときに、急にフレチャの方に進路を変更し、フレチャを弾き飛ばしてしまった。フレチャはこの影響でヴォクレールの後輪と接触して転倒。そして、フレチャの後ろを走っていたフーガーランドも巻き添え、フーガーランドに至ってはまさに吹っ飛んだという感じで、道路脇にダイブ、しかもそこに有刺鉄線が張られていて見るも無惨な姿に。ジャージは裂け、有刺鉄線に絡まり、これはリタイアでもおかしくない状況。フレチャフーガーランドも再スタートしたものの、痛々しくて見ていられないし、フーガーランドは両足に巻いた包帯から血がダラダラ流れてるし……
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セレンセンを引っ掛けたバイク、今回のテレビ局の車、両者ともに追放処分を受けたのは当然。あんなもの交通事故でしょ。
結局、ステージ優勝は逃げで残った3人の争いになって、勝ったのはルイスレオン・サンチェス、そしてマイヨジョーヌヴォクレールに移動することになった。カザールはちょっと元気がなかった。
この日のレースは散々なものだったけども、ヴォクレールの表彰式の笑顔で和んでしまった。嬉しさを抑え切れない、嬉しくてたまらない、本当に喜び爆発といった感じ。ただ、マイヨアポワを獲得したフーガーランドはなんとかゴールまで辿りついて表彰台に上ったけども、目には涙。本当にやるせない。
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一週目が終わりましたが

総合狙いのエース級の選手がアクシデントで何人も姿を消しており、そこがすごく残念。ヘーシンクやライプハイマークレーデンはリタイアこそしていないけれどもアクシデントでタイムを失っているし、コンタドールだってアクシデントばかり。コンタドールが今年のジロ・デ・イタリアを勝ったときは、アクシデントらしいアクシデントはなかったように思うけど、ツールは一週目だけでアクシデントだらけ。今のところエース級で無傷でいるのはエヴァンス、シュレク兄弟、それにまぁさすがに総合優勝はないだろうけどクネゴといったとこぐらい。
二週目以降はアクシデントがないことを祈りたいですね。