highriseの日記

自転車に乗ったり、外れ馬券を買ったりしている。

ツール・ド・フランス二週目の前半戦

ヴォクレールマイヨジョーヌ獲得で休息日に入ったツール・ド・フランス、二週目に入る前に妖精さん反応が出たということでコロブネフさんがツールを去っていきました。

第10ステージ

この日はマイヨジョーヌヴォクレールを擁するヨーロッパカーが集団をコントロール……するはずだったのだけれども、普段やらないことは急にはできない。結局、ステージ優勝狙いのチームがコントロールすることにw
逃げを吸収したあとは、ヴォクレールジルベールらがアタック。そこからさらにジルベールが単独でアタック。ジルベールのこういう馬鹿正直なアタックは見ていて清々しい。このアタックのおかげで追走集団のHTCのアシストが崩壊し、カヴェンディッシュが丸裸に。カヴェンディッシュは焦ってしまったのか、どう見ても早仕掛けで、最後は後ろにいたグライペルが差し切ってステージ優勝。一週目はジルベールがエーススプリンターのグライペルを差し置いて勝手にスプリントしちゃうことに腹を立てて、こんなのチームじゃないと怒っていたグライペルもこれで満足。
何より、去年まではカヴェンディッシュと同じチームにいて、カヴェンディッシュの2番手スプリンターの地位に甘んじていたグライペル。ツール出場のチャンスを求めてチームを移籍、で、カヴェンディッシュを相手にしての勝利だから大満足でしょう。

第11ステージ

今日もマイヨジョーヌをキープしているヴォクレールを擁するヨーロッパカーですが、やっぱり集団コントロールは早々に放棄して、スプリンターチームに譲ることにw
激しい雨の中、カヴェンディッシュが安心と信頼の発射台レンショーに先導されてゴールスプリントへ。こうなれば敵なしで、後ろからグライペルが迫るけれども、危な気なく押し切ってカヴェンディッシュがステージ優勝。マイヨヴェールもゲット。
カヴ対ゴリラの二日間でした。

第12ステージ

フランス革命の記念日。いよいよ舞台はピレネーへ。本格的な山岳ステージの始まりということで、総合優勝争いも本番です。1級ウルケット・ダンシザンを越え、超級トゥールマレーを越え、超級リュザルディダンを登り切ってゴール。さすがにこのコースではヴォクレールマイヨジョーヌを守ることは無理だろうということで、本人も「今日でマイヨジョーヌを失うだろうね」とコメント。
まず、スタート直後に決まったのは6人の逃げ。この中にはFDJのロワも含まれていて、この人は本当によく逃げにチャレンジしてる。そして、1級のウルケット・ダンシザンでシャヴァネルフーガーランドクロイツィゲルが前を追うべく抜け出す。一週目に落車して以来、ずっと精彩を欠く走りだったシャヴァネルが、この日はフランス革命の記念日ということもあってか、フランスチャンピオンジャージここにありというアタック。フーガーランドもまだ傷が痛々しい。アスタナとしてはヴィノクロフがリタイアした今、クロイツィゲルにステージを狙ってもらうしかない。1級の下りではジェレイント・トーマスが転落スレスレのコースアウトを2回。続くメイン集団も同じところで落車発生。ヴォクレールがコースアウトして沿道の車に衝突。そしてレディオシャック最後の砦クレーデンも巻き込まれてついにレディオシャックが終了。
トゥールマレーの登りに差しかかると、気がつけばレオパード・トレックの面々が集団の先頭に勢揃い。こうなるとやることは一つ、集団のペースを上げる集団破壊作戦で、さっそくカンチェラーラが先頭を牽いてペースアップ。途中でお仕事終了して、オグレディへ、フォイクトさんへとバトンタッチ。んで、そのフォイクトさんが圧巻だった。トゥールマレーの登りの半分以上を牽き続けたんじゃなかろうか。今年40歳になろうというおっさんがトゥールマレーで集団を鬼牽き。まさに集団破壊の鬼牽きといった走りで、同じチームのゲルデマンあたりも脱落していく始末。これでヘーシンクやマルティンといった総合で上位に入れればいいなという面々が脱落。マルティンなんかは今にも死にそうな顔。あと、アンディが貫禄のパンク発生でストップ。トゥールマレーの下りでは、ジルベールサムエル・サンチェスといった下りの上手な面々が飛び出して先行することに。
んで、最後の超級山岳リュザルディダン。まだ集団を牽くフォイクトさん。もう集団はバラバラに破壊され、AG2Rのロッシュも脱落、ナバーロやクリスアンケル・セレンセンといったコンタドールのアシスト勢も脱落。これでようやくフォイクトさんもお仕事終了。あとは総合優勝を狙う人達の争い。総合狙いで残っているのは、コンタドールエヴァンス、シュレク兄弟、クネゴw、リクイガスバッソとシュミット、ライプハイマー、ダニエルソンなどなど。そしてこの集団の先頭には、なぜかまだ奮闘しているマイヨジョーヌヴォクレールとアシストのローラン。ここで何やらリクイガスの二人がゴニョゴニョと相談、んで、鬼軍曹シュミットが集団の先頭に立ち、続々と先行勢を飲み込んでいく。アタックして逃げに出たサムエル・サンチェスはファネンデールとともに順調に登っていくが、序盤から逃げていた面々はどんどん吸収。シュミットの先導でさらに集団は絞られ、いよいよ総合狙いの実力者しか残っていない状況に。あとなぜかヴォクレールとローランも残っているけどこれはもう意味がわからないw
誰が仕掛けるのかと思っていたけれども、やっぱりシュレク兄弟を中心にアタック合戦。この状況で二人残っているシュレク兄弟は有利で、二人で交互にアタック。そしてまだ粘るヨーロッパカーの二人。残り約2kmでフランクの単独アタックが決まり、先頭に追いつく勢いで登ったものの、前の二人には届かず3位。続いてやってきたのがバッソエヴァンス、アンディ、少し遅れてクネゴ。カーブを曲がったときにコンタドールがいなかったので、あぁもう前にいるのかと思ったら、なんとコンタドールが遅れていた。ペダリングも軽やかではなかったし、本当に調子が悪いのかもしれない。第1ステージの落車に巻き込まれたときはいいハンデになったと思ったけど、ちょっと厳しいかも。
ステージ優勝はサムエル・サンチェス。これがツール初勝利とのこと。まぁピレネーバスクの方々の本拠地みたいなもんですし。
驚いたのがヴォクレール。終わってみれば先頭から50秒遅れで踏ん張ってマイヨジョーヌを守った。フランス革命の記念日にフランス人がマイヨジョーヌを着ているなんて素晴しいですね。総合争いのみなさんに混じって、ヨーロッパカーの二人が奮闘している姿に感動したピレネー三連戦の初日でした。