highriseの日記

自転車に乗ったり、外れ馬券を買ったりしている。

何はともあれディープだった2年間

競馬を見始めてから一番強いと思ったのが今年の春の天皇賞ディープインパクト。ちょっと大袈裟に言えば、馬場差やサラブレッド自体の進化はともかくとして、あの早目のスパートをスプリンター並みのスピードで駆け抜けてしまうサラブレッドは生きてる間に見られるかどうか分からんのではないかとすら思う。
凱旋門賞が残念だったが、薬の話は置いておくと、ディープらしくない走りをしてしまったのが敗因かなと。現役の最後までディープは型にはまらなかった競馬を続けたわけで、ロンシャンでは普通に勝ちにいった先行策が裏目に出た感じ。海外メディアも概ねその論に収束してきている模様。
ディープが型にはまらなかったというのは、追い込み馬のくせに展開に左右されなかったということで、一度として展開面でヒヤッとさせられたことがない。それを支えていたのが、3角4角でマクっていくときの桁違いのスピードであり、そのままトップスピードでゴールまで駆け抜けることができるスタミナだったし、それを見せつけたのが春の天皇賞だったわけですな。ちなみに、06年の有馬記念のラップを見てみるとディープの上がり3F33秒8、レースのラスト1F12秒0となっているので、ディープのラスト1Fは12秒をちょっと切るぐらい。とすると、その前の2ハロンのどちらかで10秒台を使っているわけで、それがおそらくコスモバルクを外から抜き去った4角のところ。あのスピードはちょっと次元が違ったし、あの脚で前に取り付いていければそりゃ展開に左右されることもないわけだ。その競馬をロンシャンでやってほしかったと思うが、まぁそれは禁句ですな。
個人的には重要だと思うのが、古馬中長距離路線の秋天以外に皆勤して出たということ。ディープ自身の能力がずば抜けていたというのもあるが、うまくやれば海外を挟んでもこの路線を歩めるということが可能なわけです。ディープの場合、国内は全勝なんだから海外遠征も含めた結果としては大成功ですな。特に有馬記念のディープには英Racing Postがレーティングに133をつけて、凱旋門のことは置いておいても世界の超A級として認められるレベルだったわけで、国内でも走りながら海外でも評価を得るのが不可能ではないと証明してみせたということが大きいかと。これに続くサラブレッドが日本から登場するのを切に願うばかり。