highriseの日記

自転車に乗ったり、外れ馬券を買ったりしている。

競馬の終わり

競馬を題材にしたSF小説。22世紀のロシアで競馬のサイボーグ化が進められようとしている話。

サイボーグ化によって生物としての競走馬の差は小さくなり、競馬は均一化してしまうということが危惧されている。そんな中、サイボーグ化前の最後の3歳世代には零細牧場から出たポグロムと大牧場が禁断の配合で生み出したエピメテウスが出現し、ライバルとしてダービーへ駒を進める。

サイボーグ化することで、競走馬の血統がもたらす重要度は下がる。また、個体の差が縮まるので何が勝つのかというドラマ性も小さくなってしまう。前者を代表するのがエピメテウスで、後者がポグロムである。果たしてダービーで勝つのはどちらなのか、という話なのだが……

興味がある人は自分で読んでみることをオススメする。競馬ファンなら楽しめる小説だと思う。

競馬の終わり (集英社文庫)

競馬の終わり (集英社文庫)