highriseの日記

自転車に乗ったり、外れ馬券を買ったりしている。

凱旋門賞の直線で長い夢を見た

普段、競馬場でも「差せ!!」とか叫ぶわけでもなく淡々と競馬を見ているけれども、昨日の凱旋門賞では久しぶりに競馬を見ていて声が出た。エルコンドルパサーのときは、Montjeuが飛んできて、あぁ〜差される〜終わった〜という感じだったけど、ナカヤマフェスタはゴールするまで差し返すんじゃないかという粘りを見せてくれて、直線で夢を見ている時間は、エルコンドルパサーのときよりも、ディープインパクトのときよりも長かった。
長期滞在で凱旋門賞を目指したエルコンドルパサーや、この馬で勝たなければ日本の競馬はどうなるのだという過剰な期待をかけられたディープインパクト凱旋門賞とは違って、日本のトップクラスの馬が、国内でG1に出るように現地でプレップレースを使って、普段通りのレースをして頭差の二着になったことに、よくやったという思いとともに、ものすごい悔しさが出てくるのはこの上ない贅沢なことだ。Harbingerこそいなかったものの、今年の欧州の主役が顔を揃えていた凱旋門賞で、Workforceの直線の力強さはハーツクライが差し返されたキングジョージを思い出させる欧州の一流馬の底力であったと思うし、相手に不足はない中での2着だった。これを悔しいと思えるようになった。そして、Workforceが見せた底力こそが最後に日本馬が乗り越えないといけない欧州の壁だというようにも思えた。
ヴィクトワールピサにしても、欧州のG1戦線で結果を残してきた馬に混じっての7着。同世代の愛ダービー馬や仏ダービー馬には先着しているし、ナカヤマフェスタの影に隠れているものの、3歳馬の挑戦としては上出来という結果ではなかろうか。斤量差云々や距離云々はあるけれども、ヴィクトワールピサ古馬になって力強さが備わればもっと上の着順を狙える可能性を十分に感じさせてくれた。
凱旋門賞のタイトルまで、エルコンドルパサーの半馬身差から頭差まで縮めたこの11年間は、日本競馬が着実に前に進んでいることの証だと思うし、ここまで来れば凱旋門賞を日本馬が勝つのもそう遠い未来のことではないと楽しみになる。そして、海外競馬厨の角居師が今年初めて凱旋門賞に管理馬を出走させることができたのだけれども、この経験を踏まえて今後どういうチャレンジをしてくるのかということも楽しみな点である。