highriseの日記

自転車に乗ったり、外れ馬券を買ったりしている。

2022 BRM715 宮城1000km 超ウルトラスーパーフルフラット

Randonneurs MIYAGI - 2022BRM715宮城1000km

宮城1000を花巻でDNFして帰ってきた。今回のような状況は個人的には教訓として残しておきたいのでこれは反省文です。

もともと走る予定もなくてちぇりーさんに誘われてエントリーしたけど、ちぇりーさんは前日の段階で天気予報を見てDNSすると連絡が来た。これが一番賢明だった。自分は雨が降り続くぐらいならなんとかなるでしょうと思い、月曜日の14時〜15時ぐらいにゴールで月曜日中に帰宅できる計画にして、金曜に午後休を取って寒河江へ。

寒河江駅に着いて輪行解除をしている頃から断続的に雨が降っていたけど、走行の支障になるようなものではなく、普通の雨ブルベという状況でスタートした。山形から仙台へ抜ける峠(関山峠)も斜度がひどくないのでしゃいんさんやオフロスキさんの集団にくっついてさくっとクリアし、仙台へ向けてダウンヒル。仙台の市街地に入った頃に雨脚が強くなって土砂降りとも言える状況であったが、ここまでずっと濡れて来ているので今更雨脚が強くなろうが関係ない。PC1までは90km以上あるけど、関山峠が緩いのでほぼ平坦と言ってよく、食料や水分の補給も必要ないのでノンストップで行ける範囲。グロスでも23〜24km/hぐらいになっていて実に快調。

国道45号線に入って塩釜から松島へ向かう道中、道端に止まっている車とかが増えてきて、あれ?怪しい?大丈夫かこれ?という状況になってきた。出来立てホヤホヤと思われる土の匂いがする土砂崩れが反対側の車線で発生していて、こちら側の車線にも土砂が流出していたので気をつけて進む。そして松島海岸駅に着くと、はまいぬさんが「この先は冠水で進めないようです」と立ち往生している。たしかに少し先に水没している車も見える。しゃいんさんともう一人の方と四人で迂回先を検討。内陸側へ逃げようにも県道144号は線路の下がアンダーパスになっていて完全に冠水しているので突入したら死ぬ。海岸側の公園にいくつか盛り上がった場所があるので、そちらでどうかといろいろ検討するものの、どこもダメそうなので、少し様子を見て徒歩で冠水場所に突撃。歩道を歩く。うまいこと駅前の冠水場所は通過したものの、PC1のファミリーマート松島高城店までの国道45号にはまだまだ冠水している場所があり、膝まで水に浸かるレベルのものであったので、もう乗車したままでは無理。道路より少し高くなっている歩道でも水の中を歩くという状況。BBからコンポからホイールまでいろいろ新品にしたばかりなのでとても辛い。そもそも下水とか混じってないかこれ?感染症のリスクもあるぞ?というのも不安になる。

1時20分頃にPC1に到着してとりあえず補給を済ませる。ここの駐車場も水没しつつある。この先はもう無理だろうというのと、雨雲レーダーを見るとこの後さらに雨脚が強くなることが予想されたので、軒先でしゃいんさんやはまいぬさんとどうしましょうかねぇと立ち尽くす。しゃいんさんは主催者側に状況を連絡したそうだけど、対応検討中ということだったらしい。この先は川沿いに北上して一つ山越え(丘?)であるので、氾濫や土砂崩れなど状況はこれまでよりヤバイことが容易に想像できる。どうしましょう。JRのヘルメットをかぶった災害対応と思われる方々がコンビニで大量にペットボトルなどを買っていく。緊急避難指示のアラートがその場にいた全員のスマホで鳴り出す。パトカーや消防車も走り回っている。世の中的にはもう災害時である。そして駐車場の中を車が走ると波が起こって建物スレスレに立っていても波が押し寄せてくるほどにコンビニの駐車場も水没しつつある。じわりじわりと水没範囲が広がってきている。この状況でブルベなんか走ってていいんだっけ?という気持ちにもなってくる。反射ベストを着た自転車の集団が冠水や土砂崩れを突破していくの、かなり悪目立ちしている気もする。

後続の方々も続々と到着して軒下にびっしり自転車乗りが集う中、最後尾スタートの実走スタッフの方が到着。電話で代表と相談しているようで、「ここにいるみなさんは結論が出るまで一旦ここで待機してください」とのこと。これはここで中止だなぁと思っていたら、「中止にはしない。この先さらに冠水や土砂崩れの状況がひどくなると予想されるが、続行するなら自己責任で行ってくれ(意訳)」みたいなアナウンスが出たので、おおマジかという感想。そうは思いつつ、そういうアナウンスが出るとそういうものかと先へ行く人が出てくる。

スタッフの方も出発していったし、残っていてもすでに松島や仙台に戻ることはできなくなっているので、2時半頃、自分も雨が小康状態になったタイミングで先へ進むことにした。鹿島台へ抜けるのに一山越えるわけだけど、案の定ここもひどい有様で、登りだというのに両側から際限なく溢れる水で道路が冠水していて車は立ち往生しているし、下りは下りで出来立てホヤホヤの土砂崩れで道路全体が土砂で覆われている。急に現れたのでそのまま乗って突破したけど、すぐ先でパンク修理をしている方を数人見かけたのでやはりという状況である。というかそこでパンク修理していると追加で土砂崩れがあったら巻き込まれるぞという場所だが、自分も土砂の上でバランス取るのに必死だったので一声かけることもできず。緊急災害車両も出ているし災害対応の方も交通整理をし始めているが、みんなここを突破したんだなと。PC2に向かって走っている中でもスマホから緊急避難と思われるアラートが鳴り続ける。その後も下りのど真ん中に一辺40cmぐらいありそうなでかいコンクリ片が鎮座していたりする。直撃するとたぶんホイールが一発で死ぬ。

5時40分ぐらいにPC2に到着。スタッフの方二名とハヤシさんがいるところに、はまいぬさん、しゃいんさんとともに到着。状況的には随分マシになっていて、雨もほぼ止んだのでレインパンツを脱ぐ。朝飯に弁当を食べて出発。イザベラ600で通ったような道を逆向きに行くので結構見た記憶のある景色があった。いろいろあったが快調に走っていて、PC1での1時間ぐらいの足止めはあったけど、それを除けば走行ペース自体は概ね当初の予定通りという感じ。とはいえ、夜が明けて雨も弱まった中で妙なテンションも落ち着いて幾分冷静にもなり、この状況で完走してリザルトに載るのはそれはそれでどうなの?という自問自答の気持ちも湧いてきつつあり、この先の花巻のPC3で最終判断だなぁということを考え始める。そのうち、先に出発していたスタッフの方々に追いついて話をしつつ進む。迂回ルートが設定できる限りは中止にはならない可能性が高いようだ。

PC3には9時20分ぐらいに到着。スタッフの方としゃいんさんとともにこの先どうするかという相談。スタッフの方が電話していたけど、「先に行っている方がいるし(おそらくオフロスキさん)、この先の状況を確認してほしい」という伝言もあったようなので続行の様子(渋々という感じではあったが)。花巻から遠野、釜石へ向かうと何かあったときの撤退は釜石線になるけど、その釜石線はすでに動いておらず、この後、雨雲レーダーの真っ赤なやつが進行方向を直撃する予報になっていたので、自分としゃいんさんはここで終了と結論。この状況で行っていいものかと言われると自分にはちょっと行く決断ができなかった。土砂崩れなどがなければ計画通り進みそうだけど、一応クラブのスタッフやAJの理事をやっている立場も考えるとこれ以上進むのは蛮勇であろうなとも思った。続いて到着したはまいぬさんはとりあえず行ってみますと釜石へ向けて旅立っていかれた。

PC3からは新花巻駅が近く、撤退地点としては申し分なかった。しゃいんさんは寒河江の荷物を回収するのに大変な撤退戦になるそうだったが、自分は今回たまたまドロップバッグもやっていないし(1000km以上ならいつもは準備してる)、寒河江で荷物を預けたりせず全部持って走っていたし、宿も久慈のホテルしか予約していなかったので(二泊目は久慈に着いた時点で秋田の宿を検討する予定だった)、久慈のホテルをキャンセルするだけであった(当日でもキャンセル料無料だった)。新花巻駅で帰り用の装備に着替えて新幹線に乗れば撤退戦は終了。ハヤシさんも花巻で終了ということにしたらしく、一緒の新幹線だったので振り返りなどをしつつ帰った。

なんというか、正解はDNSだった。またスタートしたにせよ、松島の手前で止めるべきであった。スタートで出遅れたらしいイケダさんが松島の手前で警察に止められてDNFになったとFBに投稿されていたが、松島の冠水を突破したのがそもそもの間違いだった。警察が通行止めにする場所をたまたまタイミングの差で突破した人だけがその後を走り続けただけに過ぎない。いくつ冠水場所を通過したのかもわからない。出来立てホヤホヤの土砂崩れがあったり冠水しているようなところに突撃するのは無謀であった。真夜中で真っ暗な中、冠水していて路面が見えないところを手探り(足探り?)で進むのはかなりリスクが高い。万が一マンホールの蓋が浮いたりしていると、そのままドボンということもない話ではない。帰ってきて一晩寝て振り返ると今回は反省点しかなく、特に得るものはない上に機材を傷めつけただけになってしまった。コース自体は好天ならとても走りやすいと思うので次回の開催時にはぜひ参加したい。またスタート前にこういう災害になっていたならともかく、スタートした後にここまでの災害になってしまったのは主催者としても大変な状況だっただろうなぁと思う。主催者、参加者含めて、スタート時点でここまでの災害になるとは誰も予想していなかったはず。自分が主催担当だったら……今回のような状況は想像するだけで胃が痛くなる。

あと、今回PBP以来三年ぶりにでかいサドルバッグ(Ortliebのシートパック)をつけて走ったけど、やはり走り辛かった。PBPのときにアップダウンの連続の中、でかいサドルバッグをつけていることによる立ち漕ぎ時の不快感に嫌気が差してルデアックで中身をほとんどパージして、あれ以来一度も使っていなかったのだけど、今回は雨具や帰りの着替えなど荷物が増えたので三年ぶりの登場となった。しかしやっぱりダメだな。スタビライザーもあるけど、重心が高くなってしまうのだけはどうにもならない。来年またPBPに行くなら次回は最近の定番スタイルである小さなサドルバッグとバックパックにするかなぁという暫定の結論。あとはTailfinか。