28日(土)からの三日間で走ってきた。cherryさんが走りたいSR600にお供するシリーズ第二弾ということで今回もcherry内閣。
先人のブログを漁ると、Fujiは深夜〜早朝にスタートで初日の内に渋峠を越え、須坂や上田で宿泊というのが主流のようだが、今回は9時スタートにした。近場のスタート地点なのに前泊で余計な出費はしたくないので、スタート当日の朝移動できて、ゴールしてその日の内に帰宅できるように計画した。この計画ならちぇりー総理も当日の朝の移動でスタートに間に合うし、我が家からだと40km強なので多摩川沿いを走れば二時間ぐらいで着く*1。
初日は草津まで、二日目は白樺湖まで。ざっくり190km、180km、230kmという感じ。初日が一番長くて少しずつ短くしていくのが体力的にもメンタル的にも理想だと思うけど、二日目に渋峠、菅平、美ヶ原と大きい登りが集中するので仕方ない。最終日が一番長くなるが出発地の白樺湖の標高が高いのでまぁ許容範囲内。草津、白樺湖で宿を取ると、朝のフレッシュな時間帯に渋峠と麦草峠を登ることになるり、一日の終わりの方に大きな登りがない。これが一番のメリットで、cherryさんがどう感じたのかはわからないが、自分は体力的な疲労というのはあまりなく、このスケジュールは結構いい感じだった。
で、比較優位が大事なので、通過時間などなどの細かい計画は総理に丸投げした。
Day 1
土曜の朝は5時起床。自走で自宅を出発し、多摩川沿いに国立まで行き、甲州街道で高尾へ。8時40分前の電車で総理が到着し、準備が整い次第すぐスタートとなった。
Start 高尾駅 8/28 09:00
スタートしてからしばらくは信号峠と渋滞でなかなか進まない。これは9時スタートのよくない点。
あと、SKSのフェンダーを付ける金具を付けっ放しにしていたのだが、ちょっと高圧まで空気を入れてきたためか、タイヤと擦るような音が気になり出した*2。青梅を過ぎたところで総理には先に行ってもらって、ブレーキキャリパーを外して金具を取り外す。
んで、直ったと思って走り出すと、今度はブレーキをかけるとブレーキシューが鳴くようになった。平坦の信号ストップなら全然鳴らなかったのだが、根ケ布からの下りがこの日の最初の長めの下りだったので、ここで初めてギャン鳴きに気付いたという感じ。下りたところの交差点でいろいろと原因を探ってみるもよくわからなかった。その後も何度か止まっていじってみるものの、特に良くなる気配なし。ブレーキシューを新品に交換したばかりなので、しばらくすれば解消するだろうということにする(結局解消せず、渋峠からの下りとかでギャンギャン鳴りまくった)。
PC1 山伏峠 8/28 11:55
総理は先に下っていったようだ。スタート前から「ファミマでフラッペ飲みたい」とぶつぶつ言っていたということもあり、国道299号を下って秩父に入ってすぐのファミマで休憩するのを合意していたのでとりあえずそこを目指す。自分もフラッペ飲みたい。
秩父を出てからはもうとにかく暑いの一言。全然ペースが上がらない。7月の奥入瀬も暑かったけど、やはり関東平野の暑さは格が違う。湿度が高くて蒸し蒸しするので極めて不快である。ドリンクもどんどん減るので自販機を見つけたら早め早めに補給をしていく。時間のロスになるけど仕方ない。途中でhideさんとスライドした。
総理の計画通り、碓氷峠の手前のコンビニで休憩を入れる。総理はすでに暑さで固形物を受け付けなくなっているらしい。たしかに自分も身体全体がホカホカする感じでペースが全然上がらない。途中で総理に「後ろから見てると走りに元気がないねぇ」と言われたぐらい。頭痛とかそういうわけではないので、熱中症ではないと思うけども、身体の芯から温まった感じはある。湿度が高くて汗が乾かず、ずぶ濡れみたいな状態になっているので、店に入って座って食事というのも気が引ける。
PC2 めがね橋 8/28 17:29
いつものところで写真を。
碓氷峠は一人で淡々と登るとやたら長く感じるが、それほどきつい峠ではないので誰かと喋りながら登るとあっという間だ。
軽井沢の自販機でこの後の北軽井沢への登りに備えてドリンクを追加。この辺で日が落ちてナイトライドへ。結構斜度があるけど、暗いとあまり気にならない。
長い下りの先の長野原のコンビニにはランドヌールがいた。Mさん。自分達よりも3時間早い6時スタートだというので、「こんなところにこの時間にいて大丈夫か?」と思ったけど、暑さを避けるために昼間は仮眠して夜に走る作戦でいくらしい。この先は宿を取っておらず、白根山の避難シェルターで仮眠する予定だという。
「トリさん側の人ですね」
「そうですね」
草津に到着し、コンビニで飯を調達して宿へ。22時前にチェックイン。当初の予定より10分弱の遅れ。日中暑くてペースが上がらなかったことを考えれば上出来だと思う。温泉につかってさっぱり。気持ちよかった。残念ながらコインランドリーを使える時間を過ぎていたので洗濯は手洗いで済まし、さくっと就寝。和室で布団からはみ出して大の字になって寝るのはとても気持ちよい。
Day2
当初の計画では5時過ぎに出発の予定だったけど、宿への到着が少し遅れたこともあり、5時30分スタートにした。こういう約束をするのだが、大体総理が準備に手間取り実際のスタートは5時40分ぐらいになる。その間自分はぼーっと待っている。
まずは渋峠へ。せっかく登るのだから明るい時間帯に登りたいという計画だし、この日は天気もよかったので満足度が高い。朝早いためか他に走っているサイクリストは皆無であった。途中で白根山のシェルターを通過。たしかにシェルターの中にベンチがあるんですけど、「もしかしてMさんはあれで寝たのか……」という気持ち。マジで?
最高でした。
PC3 国道最高地点 8/29 7:58
渋峠ホテルの通過証明でも可だけど、残念ながらまだ営業開始前だった。
というわけで、総理の防寒装備の準備を待つ。自分は夏用ジャージの上に、PBP反射ベストと同じL2Sの反射ベストを着ているので、ジッパーを上げれば防寒としては十分*3。
ほいでガツンと下る。先述のようにブレーキが鳴りまくるのでドキドキする。だんだん楽しくなってブレーキを握ったり離したりでギャン鳴きの音楽を楽しむようになる。何やってんだろうか。
志賀高原は高校の修学旅行で来たことがあるが、どのホテル、どのゲレンデだったんだろうかねぇ。またゆっくり来て探索してみたい。
PC4 道の駅北信州やまのうち 8/29 8:56
一応ブルベカードにスタンプも押しておいた。
近くにいた自転車乗りのおじさんとの会話。
「先日東京から渋峠を越えて600km走るとかいう人が来てさー、あれは競輪選手じゃないけどその世界のプロだな」
「ほほうなるほどなるほど」
「昨日も二人組が夜遅くに来て、これから菅平登って上田に行くんだって。みんな健脚だねぇ。で、どちらへ行くの?」
「アッ、ハイ……自分達も渋峠から下りてきて、これから菅平登って上田へ行きます……」
Fujiを走ってる人多いもんな。
あとはおやき休憩。総理が他にりんごジュースやら何やら飲んだり食べたりしてた。
そして総理の先導でミスコースをしたりしつつ、菅平の登りへ入る前にもう一度コンビニ休憩。本日も大変暑い。群馬に比べたらマシだけど暑いものは暑い。二人ともボトル一本なので水分を追加しておかないといけない。
菅平は登りがとてもしんどいというのは聞いていたけど、なるほどたしかにという感じ。暑くなってきてるので二人とも無言になりがち。「足付きしたくないねぇ」と言うので、「写真を撮るという理由で止まればよい」と言ったら、あっさり停車して写真撮ってた。
いい大人が頭と背中にトンボつけてる(自転車にもついてた)。
PC5 菅平高原 8/29 12:39
自販機で休憩。何人のランドヌールがこの自販機にお世話になったんでしょうね。
気持ちよく下って上田へ。下界に下りてくるにつれ、暑くなり不快感が増す。菅平も気温は高かったけどやはり高原というのは湿度が低くて快適だ。
PC6 信濃国分寺 8/29 13:50
滅茶苦茶暑い。「下界はとろけるね」と総理。この日はずっと総理が前を走っていたけど、さすがにくたびれたらしくて自分が前へ。
美ヶ原に登る前にコース沿いのセブンイレブンで休憩。この旅では初となる水浴びもやっていく。レーパンの中にも水をどぼどぼと投入していく(最悪)。「ヒャウッ!」って声が出る。
で、美ヶ原に向けてながーい登り。途中で昨日のMさんに追い付いた。このとき初めてお名前を聞いたら、どうもどこかで聞いたことあるような気がするなーと思ったけど、よく考えたらたまがわ会員の方でした。っきいさん。失礼しました。我々が先にビジターセンターに着いて、そして先に出発してしまったので、っきいさんとはここでお会いしたのが最後となった。
写っているのはっきいさんの自転車。
美ヶ原の登りは時間がかかった。全行程でほぼ計画通りに走行したけど、この上田から美ヶ原の区間だけは計画から大幅な遅れがあった。これは距離とか斜度とか云々より路面の悪さが問題だったと思われる。たしかに長い登りではあるが、アスファルトが割れてるところが多くて、斜度が緩い割にスピードが出ないというのが最大の理由だと思う。登りでも路面がボコボコしているとラインを選ぶのに気が取られるもんな。
あと、虫がこっちに飛んでくる度に「私の方には来てないよ!」とオニヤンママウンティングをしてきた。Uzeeeeee! そんな効果あるのかあれ。
PC7 道の駅美ヶ原高原美術館 8/29 18:21
なんとか明るい内に到着。道の駅でドリンク補給。本当はスタンプを押したかったのだが、道の駅は17時で営業終了なので、もうちょいがんばらないと辿り着かない。昼間の暑さがなければ休憩も一回減っただろうしなんとかなったかなという感じ。せっかく北信州やまのうちでスタンプを押したので、こちらもスタンプを押したかったのだが。
道の駅は吹き曝しで総理には厳しい寒さだったので冬装備を装着。自分も一応ジャケットだけ着る。が、下り出したら結構暑かった。標高が下がる上に周りに風を遮る木が多いもんな。
ビーナスラインは完全に日没後の通過になってしまったのがちょっと残念だった。「Mさんは独りでここを行くのか」と総理の弁。鹿がばんばん道路を横断するのでものすごい緊張感がある。あいつらにぶつかるとホイールが死ぬ(今年発生したトラウマ)。
夜になってまったく景色を楽しめない上に雲に覆われている様子であった霧ケ峰のあたりを通過し、白樺湖のローソンに着いたのが21時過ぎ。食料を調達して宿に向かい、温泉につかり、洗濯機に洗濯物をぶち込み、二日目が終了。こういうご時勢で客が少ないからだろうか、ご厚意で部屋をアップグレードしてくれていた。ありがたい。
白樺湖のローソンは夜になるとまったく食べ物がない。もともと宿の食事の時間には間に合わない計画だったので、ローソンで弁当なんかを調達するのを当てにしていたのだが、米や弁当関係やパンは壊滅だったので止むを得ずペヤング。
この日も和室なので布団からはみ出して大の字になって寝た。
Day 3
予定よりちょっと遅い4時過ぎにスタート。今日も総理の準備が整うのをじっと待つ。
まだ暗いけど女の神の展望台に着く頃には明るくなるだろう。スズラン峠を登っていると自転車乗り数台とすれ違った。一体どういう人達なのだろう。たぶん向こうもそう思っている。
PC8 女の神展望台 8/30 4:59
うむ、満足。あの山が何々で、あの辺を興津400のときに通って、あの山の向こう側が興津600で通るところで、杖突峠があの辺でとか説明していると、「よくそんなことわかるね」と言われたけど、「よくそんなことも知らずにブルベを走っているね」という気持ち。総理より「私はGPSの線を辿って走っているだけだから」という抗弁があった。そうか。
一旦メルヘン街道と合流するところまで下りて麦草峠ヒルクライムへ。あんまり斜度はないけど長い。やはり鹿がたくさんいるので緊張感がある。朝の食事中だろうか。道路に出てこないで〜と願う。
登りの途中で、2017年の麦草400(麦草往復ビンタだった年)の折り返しのバス停を通過。スタッフのトミナガさんが、「(麦草を)登り返して続行する?それともこのまま茅野に下ってDNFにする?」という悪魔のような問いをしていたところだ(酷い)。
麦草を登ってしまえばパンチのあるでかい峠はほぼ終わり。
PC9 麦草峠 8/30 7:11
スタートはちょい遅かったけど、ここで計画に対してほぼオンタイムというところ。
下り切って国道141号で野辺山に向かう。途中の野辺山高原へ登る直前のセブンイレブンで休憩。がっつり朝食をということで豚玉やきそばを食べ終えたところ、総理がまだサンドウィッチを食べてるので、その間に軽量化してくるかと優雅に一本生産してきたのだが、それでも総理はまだ食事中。コンビニ休憩の長さの違いだけはなかなか噛み合わない。
PC10 JR鉄道最高地点 8/30 9:36
来年の新コース用の写真。
そして通過証明用。ここからは長い下り。
野辺山は高原なので暑いといっても湿度が低くて快適だが、下界に下りてくるとやはりクソ暑い。二人ともフラッペを飲みたいというのを口には出さなかったが、どうも意見が一致していたようで、芦川駅の手前のファミマにピットインして昼飯とフラッペ休憩。
生き返る〜。
PC11 芦川駅 8/30 12:17
あとは若彦トンネルだけ。
若彦トンネルへ向かう長い登りは、日陰は涼しいけど直射日光が当たるととても辛い。自販機があれば積極的に寄っていく。そして水浴びをする。
若彦トンネルから下りてきた後、最初のファミマにピットイン。またまたフラッペである。フラッペを飲む旅になっている。もう時間内に帰る目処は立ったので呑気なものだ。
富士山に雲がかかっているのが確認できるので一応この写真も撮っていく。
PC12 長池親水公園 8/30 16:29
うーむ、微妙。ここまで一滴も雨に降られていなくて天気面では完璧だったけど(暑いけど)、ここだけちょっと画竜点睛を欠く感じ。まぁこれはこれでセーフじゃろ。
残すは下りだけだ。道志の下りは気持ちいいけど、途中で登り返しがあるのがいやなところ。総理がうんざりした様子で自販機休憩を入れていく。
相模原まで下りてきたところで、もうすぐ撤去される小倉橋のオリンピックの垂れ幕を見にいこうと思い、コースを外れて下る。提案した際は総理も乗り気であった。どれぐらい下るのか事前に確認していなかったけど、「予想以上に下るなぁ〜」と思って下っていると、案の定小倉橋に着いたところで「あれ登り返すの……上で待ってればよかった……」という泣きが入った。大変申し訳ございませんでした。
進行方向の空で雷が光りまくりだったのでビビりながら高尾駅へ。
Finish 高尾駅 8/30 20:06
終わり。総理の計画では19:59分に到着となっていたので計画通りに帰ってきた。
輪行準備をしている総理が水とりんごのゼリーがほしいというので、その間に近くのコンビニで調達してきて渡す。自分は自走で帰宅するのでちょいと補給。
23時前には帰宅。ちゃんと三日間で完結してよかった。暑さが厳しかったけど、雨は降らなかったし、ほぼ明るい時間帯に走れたしで、非常に上手く運んだSR600であった。
本当は8月の最初の週末に走る予定だったのだが、雨予報による一週ごとの延期を繰り返したので、粘った甲斐があったというものだ。ご担当者様(リュウさん)には大変お手数をおかけいたしました。宿の方も毎週予約が入ったと思ったら直前になってキャンセルを繰り返すやつがいると不審に思っていたことだろう。すいませんでした。