highriseの日記

自転車に乗ったり、外れ馬券を買ったりしている。

Tour de France 2015

ウィギンスのアシストとして脚光を浴び始め、自身がエースとなって1回目のツールを制覇する頃までは、強気なコメントばかりだったような印象のあるフルームだが、30歳を迎えたからか、今年のツールのコメントは紳士的で、チャンピオンに相応しいものだった。強すぎるがゆえに引退した選手からも疑惑を持たれ、それを煽ったメディアのせいで、観客からレース中に尿やツバをかけられるという屈辱的な仕打ちを受けたが、インタビューでも冷静で、怒りをぶちまけるということもなかった。あれは怒っていいと思うけど。本当に英国紳士な態度に終始し、パリでのスピーチでもチームメイトの名前を読み上げて声を詰まらせるなど、かつてのイケイケなフルームからは想像もできなかった。リスペクトされるべきチャンピオンだと思う。
残念ながらタイムを失うばかりで、落車もあったりとリズムの噛み合わなかったコンタドールもまた、チャンピオンだというコメントだった。

“It’s true that there are riders that would dream of finishing fifth, for me that was not my objective but I’m glad that I tried. If I hadn’t tried then after my career I might have wondered whether I could have done the Giro-Tour double and now I know. I don’t think it’s impossible to do the double but it’s really complicated because nobody has the experience on how to prepare it. However, I prefer having tried than being left with a desire to do it.”

この人のコメントはいつもかっこいい。いかにもジロの疲労が抜けてないんだろうなという走りだったが、この人は少々体調が悪くても攻める。1位じゃなければ意味がないという思いを感じられるから応援したくなる。
ニバリもキンタナもそれぞれに勝負に出たステージで見るものを納得させる走りをしたと思う。フルームがラルプデュエズで体調不良のためにズルズルとタイムを失い、もしやキンタナが総合逆転か!?という状況になり、ラルプデュエズを登り切るまでハラハラドキドキの展開だった。レースとしては大成功。ニバリのステージ優勝も印象的だった。
ファンタスティック5にも数えられたヴァンガーデレンは残念ながらアルプス初日でリタイア。スタッフに抱えられてリタイアするシーンに泣いた。
今年も夏が終わった。また来年。