highriseの日記

自転車に乗ったり、外れ馬券を買ったりしている。

平等ゲーム

平等ゲーム

平等ゲーム

瀬戸内海に島がある。そこでは島に住む全員が平等に扱われる。島の収入は等しく分配されるし、仕事も公平に抽選で割り当てられる。格差も競争もない社会。島の決定は全員の投票による多数決で決まる。一見理想社会のように見えるが、そこではやりたくない仕事であっても、ルールだから受け入れないわけにはいかない。社会の体制の維持には個人の私欲は抑えられなければならない。こうして、だんだんと社会に歪みが生じ、不正が蔓延るようになる。
完璧なルールを維持するには、人はルールをきちんと守らないといけないし、そうなると監視する人も必要になる。窮屈で息苦しい社会になってしまう。
完璧な理想社会を作り上げようとする主人公が、島民の決定で島を追放された後に、島民ではない一般の人と会話した一部がこれ。
「(完璧な理想社会は)どうしてそんなに人気ないかなぁ」
「社会のために生きているんじゃないからです」