highriseの日記

自転車に乗ったり、外れ馬券を買ったりしている。

2018 Cascade 1200 : Prologue

Cascade 1200から帰ってきて二週間が経った。そろそろ書いておかないと記憶が薄れていってしまう。

世界のM脇トークショー

2018 Cascade 1200 – June 23 – 26, 2018

そもそも今年、Cascade 1200に行くことになったきっかけは、昨年の年末にイーチョさんのところで開催された世界のM脇氏のトークショーである。2019年のPBPには参加したいなと考えていたが、他の海外ブルベにも目を向けようと思ったのは、楽しそうに海外ブルベの話をするM脇さんの姿に影響されたからだ。

そうなると、どこのブルベに参加するかが問題である。これまで1200kmに縁がなかったので2018年の内に一度は走りたい。R札幌の夏の1200km、2400kmというのも選択肢にはなるが、8月の真ん中に長い休みを取るのは今の仕事ではやや厳しい(これは来年も同じことが言えるのだが……)。しかも、エントリー峠が激化しそうである。険しいエントリー峠に参戦してまでブルベを走りたいというわけでもないので、早々にR札幌の1200km、2400kmは候補から外した。

年明けにLes Randonneurs Mondiauxのサイトでカレンダーをチェックし、候補に上がったのが、6月にアメリカはシアトルで開催されるCascade 1200と10月に台湾で開催される1200kmである。この二つは時期的にも休みを取りやすく、遠征するにしても比較的行きやすい地域だ。また、PBPのように日本人が多数参加するようなものであれば、現地の言葉がわからなくてもなんとかなるかもしれないが、そのようなものはPBPやLELぐらいだろう。ある程度言葉の問題は小さいところがいい。Poor Englishではあるが仕事で英語は使っているし、英語が通じるCascade 1200は参加しやすいと思った。

さらにCascade 1200の情報が出てきた頃、マヤさんがFacebookに「Best ride ever」と書いていたのも記憶に残っていた。アメリカ大陸の雄大な景色を堪能できるのだそうだ。惹かれる。気持ちはCascade 1200へ。*1

2月初めにCascade 1200のエントリーが始まったが、外国人枠は無制限と聞いていたので焦ることなく時期を見計らい、2月半ばに会社で「6月下旬に休みを取りたい」と相談したところ、あっさりとOKが出た。いざエントリー。そのまま航空券と事前に宿泊するホテルの予約(参加者向けにグループレートが適用されていた)をした。終わってからの宿泊は後で検討ということにして、結局予約したのは5月末になってからだった。航空券はトランジットなどの余計なリスクを避けたいので、費用は高くなるがANAの直行便にした。宿の予約に関してはBooking.comなどがあるので、日本で宿を予約するのと手間は変わらない。

航空券と宿泊を押さえてしまえば一段落である。今年は九州ヘブンウィークに参加するのでGWまではそちらが優先だったし、その後もAJたまがわの海野宿400と鬼怒川600があったので、Cascade 1200の準備はそれが終わってから。とはいえ、装備自体や持ち物は九州ヘブンウィークに持っていったものとほぼ同じで問題なさそうと判断していたので、準備に時間はかからなかった。

準備したもの

国内遠征の荷物に追加するものといえば、以下のものぐらい。

  • パスポート
    • 当然。
  • ESTA
  • 国際免許証
    • DNFした場合、次のオーバーナイトコントロールまでは回収車で運んでくれるらしいが、その後は各自でどうにかしなければならない。過去に参加したマヤさんやチコリンさんはDNFの後レンタカーを借りてシアトルに戻ったと聞いていた。使わないに越したことはないが、一応念の為に国際免許証を申請して持っていった。
  • ハイドレーションパック (Dolfin Pack)
    • これは海外ブルベだからというわけではなく、Cascade 1200の参加案内にボトルは三本持ってくることを推奨と書いてあったため。Cascade山脈の東側は乾燥地帯で非常に暑くなるらしい。ボトル三本にするか迷ったけど、背中に背負うハイドレーションパックにした。
  • 変換プラグ
    • 電源タップを持っていってもこれがないと使えない。
  • スマホ用のSIM (ZIP SIM)
    • DNFの連絡や地図を見るためにスマホが必要なので、国内のAmazonで購入できるZIP SIMを用意(音声通話+SMS+データ通信)。シアトルの空港に着いてSIMを入れ替えるだけという手軽さが良い。前後のシアトル観光では問題なく使えたが、Cascade 1200のルート上は圏外ばかりで、ブルベではあまり役に立たなかった。スタッフの方々も電波はあまりないと言っていたので、アメリカはそういうものだと思うしかないようだ。日本のカバー率が異常なんだと思う。
  • OSM
  • ウェットティッシュ
    • 普段の国内ブルベでは持たないが、日本のトイレ環境の良さは異常なので、トイレ環境には期待せずに持っておいた方がよいだろうと判断。これは本当に良い判断だった。これを持っているとのいないのではQOLが三段階ぐらい違うと思う。
  • 海外旅行保険
    • クレジットカードのゴールドカードに付帯している海外旅行保険はあるが、条件を読むとどうもなぁということだったので、au損保の海外旅行保険に入っておいた。
  • ウェア類
    • 真夏と真冬の両方の装備を持っていった。これは九州ヘブンウィークの際に話を聞いたSan Francisco RandonneursのEricさんやマヤさん、チコリンさんが口を揃えて「両方持っていくべし」とおっしゃっていたので素直に従った。先達の言葉は聞くものである。
  • 補給食
    • 先達のみなさまが2日目以降は補給できるところがないとおっしゃっていたので、エナジージェルを20本、エナジーバーを8本、塩分チャージタブレッツを持参した。結局、各オーバーナイトコントロールでHammer Nutritionのジェルや白い粉などを好きなだけ持っていけというサービスもあったので、全部は使い切らなかったが、こういった補給食を持っていなかったら途中で力尽きていたかもしれない。全然補給できるところがなかった。

走行計画

走行計画の検討はあまり念入りにはやらなかった。ルートの予習もざっくり(後悔する羽目に)。そもそも仮眠をするためのオーバーナイトコントロールが設定されており、350km、350km、250km、250kmという四日間の配分になっているので、1200kmを走るというよりは、一日で終わるブルベを四日続けて走るという感覚。徹夜で走り続けることはなさそうなので、あまり細かい戦略は必要なさそう。ドロップバッグを毎日オーバーナイトコントロールに運んでもらえるので、荷物も300kmブルベを走るぐらいのものだけで十分。

また、ルートについては、主催者のSusanさんが二週間前に試走した際には1日目のElk Passが冬期の雪による影響でクローズになっていたようだ。当日までにオープンになるかどうかわからない状況だったので、代替ルートが設定されていた。直前までどちらになるかわからずやきもきさせられたが、最終的にはElk Passもオープンになったので、当初の予定通り1日目はMount RainierやMount St. Helensという山を眺めながらの走行となるルートになった。見所の一つなので当初のルートになってよかった。

*1:マヤさんはだいたい「あのブルベは最高!」と評価するので真に受けてはいけない。