highriseの日記

自転車に乗ったり、外れ馬券を買ったりしている。

BRM1006 東京1000 ええじゃないか伊勢(海)

2017 BRM1006東京1000 ええじゃないか伊勢(海)か(山)

去年はDNFに終わった伊勢1000に今年も参加してきた。去年のDNFの原因は重すぎる自転車とバックパックに加え、雨が降る屋外で寝たことで体が冷え、結果としてシャーマーズネックになったと考えられるので、今年はなるべく荷物を減らして、走行中もせっせと首周りを中心にストレッチをした。そのおかげか、ほぼノートラブルで完走した。

今年は川崎スタートの海沿い往復ではなく、石和温泉スタートで富士川沿いを下って東海道に出て、名古屋から関ヶ原を抜けて米原へ。野洲から甲賀、そして伊賀から伊勢へ向かう。折り返して三重県の海沿いを北上し、一宮から岐阜県、長野県の山岳ステージへ突入。大平峠や飯田峠を越えて飯田に下りてきて、そこから北上し、杖突峠を越えて、山梨まで下ってくる1000kmである。これが自分のエントリーした海回りコース。逆回りの山コースもあり、こちらは先に山岳ステージを片付けるコースとなっている。途中で海と山の参加者がスライドするのもこのブルベの楽しみの一つ。

また、木曜、金曜は残っていた夏季休暇を取得できたので、仕事との兼ね合いで悩むこともなく参加することができた。

10月5日(木)

あまり遅くなると帰宅ラッシュに巻き込まれて面倒なので、昼過ぎから電車で移動。6日スタートの1000kmブルベは四国でも3団体が開催しており、Twitterを見ているとブルベ参加者がぞろぞろと移動している。お祭り前夜という感じで、本当に平日なのだろうかという雰囲気。

鈍行を乗り継いで、18時頃に石和温泉駅に到着。夜は肌寒い。

昼間にネットでチェックしたときは空室ゼロで、石和健康ランドでは仮眠室でいいかなと思っていたのだが、フロントで聞いてみるとキャンセルが出たらしく、部屋を取って寝ることにした。事前に十分な睡眠を取っておくこと、超大事。

荷物を置いて、風呂に入り、食堂で夕飯を食べていると、宇都宮のはじ~さんともうお一方がやってきた。次いで燃え兄ことアキさんも到着したので、四人で前夜祭。自分とアキさんが海回り、宇都宮の御二方が山回りということで、スライドできればいいですね~と健闘を誓う。

雨予報なのが心配だ。

うーむ……

健康ランドで風呂入って飯食ったら、なぜ明日から1000kmも走らなければならないのだろう?という気持ちになってくる。ブルベの前日はそんなものだ。なぜ走るのだ?

10月6日(金) Day 1

0km Start 石和健康ランド

スタート時刻は6時から1時間ごとに9時まで自分で選べるので、自分は迷うことなく6時スタートを選択。一日目にできるだけ距離を稼ぎたい。他の方も考えは同じようで、6時スタートが多かった。

スタートしてしばらくは甲府市内を集団で進んでいたが、ライトとサイコンを付けているエクステンションバーがグラグラなことに気付き、集団から離脱。ちょっと前にいじったときに緩めたままになっていた。詰めが甘い。

おそらくこれで6時スタートの最後尾になってしまったので、一人でのんびり走行。焦らなくても海に出るまで下り基調だし、心配された雨もまだ降っていない。身延線沿いをゆるポタ状態。

イザベラシリーズにも出ていたMTBのOさん、アキさん、LELジャージのYさんあたりに追いつき、そのまま最初の通過チェックへ。

77.8km CK セブンイレブン富士川松野店

9時に到着。3時間でここまで来ているので大変順調。簡単な補給だけして、すぐに出発。ここまで下り基調で全然エネルギーを使っていないし、雨が降る前に距離を稼ぎたい。アキさんと二人で進む。

途中、興津のたい焼き伏見の前を通りかかるとすでに開店していたので、急遽立ち寄ることにした。

止まっている間にOさんやYさんが通過していったが、清水の信号峠で追いつき、4人パックでいちご海岸通り、大崩海岸へ。気持ちのよい追い風で軽く回しているだけでもそれなりのスピードになるので、マージンがどんどん増えていく。

ブリーフィングで「当初は海回りしかなかったけど、海回りは難易度が高いので(仮眠等の計画を立てやすい)山回りを作った」と説明があったけど、追い風もあって随分と楽をさせてもらっている。信号で停車したときに、「今回は海の方が条件よさそうですね」と言い合う。

大崩海岸から下りてきたところでOさんが水補給のためコンビニにピットインしたので、アキさんと二人でそのまま御前崎のPC1を目指す。平坦で、単調で、本当に淡々と距離をこなしていく区間だが、追い風なので楽チン。

168.1km PC1 セブンイレブン御前崎比木店

13時に到着。PC1に到着した時点で4時間近い貯金。まだ160kmぐらいなので上出来も上出来。これなら睡眠時間を十分とることもできるし、何よりトラブルがあったときに対処の余地が大きい。

昼飯を食べて、雨雲レーダーを確認し、これから雨になりそうだと言っているそばからしっかりした雨が降り出す。仕方ないので、ここで雨具フル装備。足下も完全防御するため、ビニール袋を履いて、シューズを履き、その上からレインシューズカバーを履くアレ。一年ぶりにやった。靴底のクリート穴はガムテープで塞いできている。まだまだ先は長いということを思うと、ここで靴をビショ濡れにしてしまうわけにはいかない。フェンダーも前後フル装備で、足下を守る意志の現れである。前輪のフェンダーとかあまりつけたくないのだが、前輪の跳ね上げた水が靴を濡らす最大の敵だと思うので、今回は万全の対策である。

ここからは仮眠を取る予定も異なるので、基本的には前後を気にせず、一人で行こうということになった。自分が先に出発して途中でフェンダーの調整をしているときにアキさんが抜いていったが、この後、アキさんの姿を見たのは伊勢の折り返し後にスライドしたときだけ。OさんやYさんも同じ。御前崎からはゴールまで一人旅だった。

とりあえず次は弁天島のコンビニで休憩だと決めて走る。弁天島のコンビニはファミリーマートになって今も営業を継続中。去年の伊勢1000でもここで休憩していたはず。少し手前の清掃センターに消防車が集まってきていたが、その隣りの工場で火災があったようだ。

弁天島を出ると信号峠なので名古屋市内を抜けるまでは我慢の区間になる。豊橋、豊川あたりで日が暮れてしまい、ナイトランへ。去年は岡崎へ抜けるのに峠を越えたが、その峠で自転車の重さに負け、押し歩きをしたのだった。苦い思い出だ。今年は峠を通らず、東海道に沿った裏道的な道路を抜けて行く。パヴェのようなところもあったが、峠よりマシである。多少ミスコースがあったが、すぐにリカバリー。

雨が降り続いていて、少しずつ疲労がたまってくる。思わず岡崎でコンビニにピットイン。温かいものが食べたいと思い、マーボー丼を食べる。どうも四国で雨を降らせていた雲が東へ向かっているようで、明け方ぐらいまでは雨を覚悟せざるをえない様子。四国のシャーマンのみなさん、仕事してくれ。雨は去年よりマシという話だったけど、雨が降った時点でクソなのだ。

そうはいってもマージンは十分。300kmの通過が14時間50分ぐらい。こんなの普段のブルベでもないぐらい順調だ。走行計画的には随分ゆとりがあり、大きなトラブルでもない限り、完走は大丈夫だろうと思った。

317.5km CK セブンイレブン名古屋大喜新町1丁目店

22時少し前に到着。先着した参加者が一人いた。自分と入れ替わりにスタートしていったが、宿は特に決めておらず、行き当たりばったり作戦なのだそう。さらに自分と入れ替わりに1時間後スタートのヘロヘロもへじ氏も到着。追い風ヒャッハーであまりにも順調なので平針健康センターで休むのは早すぎということで、予定を変更して続行しているらしい。

自分は350kmぐらいの海津市の広域農道エリアにて、目星をつけている漫喫で休憩の予定。今年、600kmブルベを何本か走り、350kmぐらいに宿を取ると一日の進行距離としても休息時間の確保という点からも自分にはベストと思えたので、そういう前提で探してあったところ。何もない広域農道をひた走り、少しコースを外れたとことに到着したのが0時過ぎ。目の前のコンビニでやきそばを食べ、まんが喫茶ねこばすで仮眠へ。ここは午前4時閉店なので寝坊の心配もないのだ。まだ雨も降ってるし、しばらく漫喫で休憩とする。

一日目は350km地点で終了。御前崎からずっと一人旅だった。

ちなみに、御前崎以降のことはわからないが、伊勢1000海、スタートからの下り基調と追い風で、ほとんどの人が最初の200kmを9時間前後で通過してそう。海ルート、やはりかなり条件がいいと思う。なんとしても完走したい。

Zzz……

10月7日(土) Day 2

本当はマージンを全部使うぐらいの仮眠を取ってもいいのだが、2時間程で目が覚めたので、そのまま出発。

まだ真っ暗な広域農道エリアを進む。雨は止んでいないが、本降りでもない。これぐらいならどうってことないレベル。

375.6km CK ローソン上石津牧田店

4時過ぎに到着。雨雲レーダーを見ていると、漫喫のあった辺りが真っ赤になっていた。自分は雨雲の少し北にいるようだ。早めに出てきたが結果オーライだった。

海回りコースはエントリーが少ない上にDNSも多いと聞いているので、しばらく待っても誰も来ないだろうと思い、補給を済ませたらすぐに出発。一人旅だとコンビニで無駄な時間を使わないので、時間の短縮になる。

真夜中の関ヶ原あたりは街灯がない山の中を通過するので、とても怖かった。こういうときクマが出たらどうしよう?と考えるのだが、他の人はどうなんだろうか。

米原駅は関西の玄関口なので、ここまでくると「帰ってきた感」がある。生憎の天気で靄がかかっているので彦根城や琵琶湖はスルー。こういうところはゆっくり来たいよね。

441.9km CK セブンイレブン野洲市役所前店

8時前に到着。朝飯を食べていると、参加者が到着していた。が、この方、すごく速いので、リスタートしてしばらくしたらあっという間にパスされて見えなくなってしまった。移動速度が全然違う。また一人旅。

甲賀あたりで腹の調子が怪しくなり、コンビニに緊急ピットイン。人間の尊厳を失ってDNFになるところだった。コンビニがあって助かった。自宅から遠く離れた土地で人間の尊厳を失うとか目も当てられないからな。

概ね雨も止み、次の伊賀の通過チェックで雨具を脱ぐことにした。むしろ脱がないと暑いぐらい。実に22時間ぐらい雨具のお世話になった。なんだかんだで今年も雨にやられた。

489.1km CK ファミリーマート伊賀上野あかもん店

11時頃に到着。フランスパンで昼飯。日本人ならおにぎりでエネルギー補給といきたいが、そもそも本場のフランス人はフランスパン食って自転車乗ってるんだしフランスパンでも十分補給としていけるのだ。フランスパンとサンドウィッチで昼食。それにサントリークラフトボスラテ。このクラフトボスラテ、今回のブルベで何本飲んだかわからないぐらいよく飲んだ。

伊賀を出発してすぐに山回りの先頭の方とスライド。はえー。

野峠のトンネルから下りてきたあたりから、ポツポツと山回りの方々とスライドし始める。こういうの、単純にうれしくなる。同じコース上をたくさんの参加者が走っていると思うと、またゴールで会おう!自分もがんばろう!という気になる。

旧伊勢街道に入ると続々とスライド。トリさんやhacさん、その他たくさんの方々とスライド。

そんな中、「あれ?トリさんとスライドしたけど、はじ~さんどうしたんだろう?」と思っていると、山田上口駅あたりの広い道路ではじ~さんとスライド。9時スタートのトリさんと随分前にスライドしたのに、6時スタートのはじ~さんとここでスライドするということは結構な借金状態だなと計算していると道路の向こう側から「こっちはギリギリです!!!」というはじ~さんの声が。「(ん?ギリギリじゃなくて借金状態なのでは?)」と思ったけど、「おつかれさまです!!!またゴールで!!!」とだけ返しておいた。

573.1km CK ファミリーマートめおと岩店

15時40分頃に到着。ここを折り返して、一宮のホテルまでは140kmぐらい。8時間ぐらい見ておけば十分到着できる距離なので、16時にここを出れば日付が変わる前にホテルにチェックインできそう。去年はここでDNFを決めて、近くのホテルを取り、後続の方々を見送っていたが、今回はまだ元気いっぱい。

一応、夫婦岩には立ち寄って、そのまま折り返し。今回のブルベは初日の雨でデジカメが水没しているので、ほとんど写真を撮らずだったがとりあえず撮っておいた。変なガーガーピーピー音が鳴ってて不穏だが。

折り返すと今度は海コースの後続の方々とスライドする。アキさんやOさん、Yさんなど、続々とやってくる。みんな元気そう。

海回りコースは三重県の海沿いを北上していくルートだが、よくこんなルートを見つけてくるよなぁと思うような細い道を通していて感心した。去年はアップダウンのある山側を折り返したが、海沿いならアップダウンもなく快適。その分、信号や一時停止は多いが。細い道は「本当にこれが正規ルートなのか?」と思ってしまうけど、「今回は主催がTさんだし、まぁこういうルートでもおかしくないよな」という妙な納得をしつつ、距離をこなしていく。

19時頃に津のコンビニで簡単に補給をしたが、それ以外はもう一宮のホテルに間に合わせることで頭がいっぱい。残り距離と時速の計算をしながら一心に走る。

かねさださんがツイートしているように、月がきれいな夜だった。デジカメが水没しているので停車して撮ろうと思わなかったけど、みんなこの月の下を走っているのだ。

一時停止がすんごい連続する区間を抜け、土手を走り、油島大橋のところまで戻ってくると、一息ついた感がある。昨日の今頃はここから広域農道区間へ突入し、そこからぐるっと米原、伊賀、伊勢と走って一周してきたのだ。今度は土手を一宮方面へ。たまに出てくるスピードバンプにビビりながら、一宮の通過チェックへ。

708.7km CK ミニストップ一宮西インター店

23時過ぎの到着なので、ほぼ予定通り。ホテルで食べるサラダチキンを買って、背中のポケットに入れてすぐに出発。ホテルは一宮駅近くのピース国際ホテル一宮。チェックインは日付が変わる寸前。

というわけで、二日目は710km地点で終了。ジャージを洗おうと思ったら、コインランドリーがない。洗濯練できない。せっかく洗剤の小袋を二袋も持ってきているのに。宿を取ったのが直前だったので他に空いてるところがなかったので仕方ない。また、洗剤を持ってきているのに予備のブレーキシューを忘れたということに気付き、山岳ステージの下りは大丈夫だろうかとやや不安になる。とりあえず、ジャージはもう一セット持ってきていたので、特に問題なし。

それにしても、単独走の時間が長いブルベだ。海ルートはエントリー少ないのとDNS多いのとで、御前崎以降ずっと一人旅となっている。

シャワーをしたり荷物の整理をしたりして、1時前ぐらいに眠りに落ちたのだろうか。

Zzz……

10月8日(日) Day 3

腹がぐーぐー鳴って目が覚めた。まだ3時ぐらい。次の60km先のPC2のクローズが13時前なので、9時ぐらいまでホテルに滞在する余裕はあるのだが、腹が減っているし、すっかり眠気も飛んでいってしまったので、少々睡眠は短いが出発することにした。

スタートしてすぐのところにあったすき家で牛丼を食べ、次のPCに向かって走り出したのが4時頃。残りは290kmで、300kmの山岳ブルベ一本分。ざっくり19時間ぐらいかかると見て、ゴールは日付が変わる前、23時前後かなという見込み。一宮を出てしまうと、休憩できる場所がなく、そういう点で海回りはやや難易度が高めと説明されたのだけど、三日目の宿は必要ない。そのままゴールまで行ってしまえばいいし、十分に可能な範囲。

加茂白川までの国道は若干の登り基調だけど、早朝で交通量が少なく道も広いので、快調に飛ばした。霧が出ていたのが辛かったが、それ以外は順調も順調。2時間半ほどで60kmをクリア。景色もダイナミックで感動。

768.9km PC2 セブンイレブン加茂白川店

6時30分頃到着。ここから100km先の飯田までコンビニがないとキューシートにも書かれているぐらいなので、しっかり補給して、背中にも菓子パンを突っ込んでおく。試走したきむけんさんが「コンビニはないけど自販機はある」とおっしゃっていたので、水分は行き当たりばったりで。

一つ目の峠は切越峠。まぁ常識的な範囲の登りだなと思っていたら、最後の方が激坂になっていて、インナーローまで使って身をよじりながら登る。歩いた方が速いぐらいだが、なんとか根性で登る。同時に、山回りは雨の中ここを下ったんだよな……と思って怖くなる。ひどいコースだ。

下ったところで自販機休憩。前日までの雨とは一変。暑くてやばい。バックパックに防寒具一式を入れて背負っているが、一体何のためにこのクソ暑い中、防寒具を背負っているのか……と愚痴りたくなるレベル。暑すぎて辛いので、自販機という生命維持装置でなんとか生きてるという状態。

少しアップダウンが続き、今度は大平峠、飯田峠へ向けての長~い長~い登り。ざっくり15~16kmぐらいの登りという予習だけだったが、思っていたよりキツかった。交通量が多いし、暑いしで、どんどん心にダメージがきた。少し下ってもう一度登り返すとか、そんな無駄なことをするな!と言いたくなる。自販機を見つけたらフラフラとそっちへ寄っていって休憩。カルピス一気飲みで糖分を補給。まだかーと思ってどんどんダメージが蓄積していく。

大平峠への分岐を過ぎてからも結構距離がある上に、前日までの雨で落葉や枝が散乱していて、すごく気を使った。車もそこそこ通るので、その度に避ける必要がある。本当にもうウンザリしながら大平峠のピークに到着。少し下って大平宿を通過すると飯田峠への登り。こっちは短いのですぐに終わり。

飯田へ向けて下っているときに、野洲で一緒だった速い方がびゅーんと抜いていった。自分は肩が凝り始めていたのと、なんだかんだで下りは寒いというのもあって、一旦停止してウインドブレーカーを来たりとかなりゆるゆるのダウンヒル。肩が凝り始めるとシャーマーズネックの危険もあると思って、慎重に慎重に。

861.2km CK セブンイレブン飯田大門店

13時40分に到着。先ほどの速い方は補給が終わってもう出発しようかというタイミング。「今回、直前でPCの配置が変更になったので、海回りは一宮あたりでホテルを取ってゆっくりすることができないですよね~」みたいな話をした。この方は犬山でホテルを取っていたらしい。

変更前のキューシートだと、一宮の手前でPCを通過すれば、あとは全て通過チェックのため、一宮の市街地でホテルをとり、残り約300kmを20時間かかる計算で走ると、一宮のリスタートが13時でよかったのだ。しかし、直前でキューシートが変更され、PC配置が変わり、一宮の手前は通過チェック、一宮の次の賀茂白川がPCになり、クローズが13時前となったため、次のPCに間に合わせるためには一宮を遅くとも10時にはを出ないといけなくなった。このため、海回りにはちょっとしんどい変更だった。みたいな話を云々。自分もこの変更で一宮ゆっくり作戦をボツにした。

速い方(名前存じ上げなくて申し訳ない)が先に出発されるのを見送りつつ、コンビニ牛丼を食べる。コンビニ牛丼を食べているときに気がついたが、目の前に吉野家があった。悲しかった。

食べ終わっていざ出発。残すは火山峠と杖突峠だけ。富士見峠は勝手を知っているのでノープロブレム。とりあえず約70km先の杖突峠までをなんとか明るい内にクリアしてしまいたい、というのが目標。

飯田から駒ヶ根へと北上していくルートはダイナミックな長野の景色そのものなんだが、それはつまりアップダウンもあるということ。暑さもあって、たぶんこのあたりが一番ヘロヘロにやられてた。ちょっとの登りもインナーに落としてしまうぐらいで、勢いで登りをクリアすることができなくなってた。自販機でコーラを飲んだりしつつ、必死のパッチで進む。

途中、自転車乗りがシャーッと後ろからやってきて、「ブルベの方ですね!」と声をかけられた。「そうです!今890kmぐらいのところです!」というと、苦笑いをしてすーっと後ろに下がっていった。おい、声をかけたのだったらドン引きするな。

火山峠は結構な斜度という予習をしていたけど、九十九折になっているタイプだったので、思ったほどキツくなかった。見通しも良く、脚に優しい感じ。これをクリアすると残るは杖突峠だけである。南側から登る杖突峠は斜度が緩め。あと、ヘブンウィークのときもそうだったが、もう終わりだ!というのが見えてくると、途端に脚が回るようになるのが今回も発生して、杖突峠も本当に最後の1、2kmほど斜度がキツくなる区間までは、フロントアウターとリア真ん中あたりの数枚だけでダンシングしながら登ってた。いわゆる「もう終わりだヒャッハー」状態。残念ながら杖突峠を登っている途中で日が暮れてしまったが、ほぼ目標通りの通過時刻だ。

そして調子に乗って半袖のまま下りに突入し、無事死亡。昼間は暑すぎとか言ってたのに、今度は寒い死ぬである。寒さで手足の震えが止まらず、下り切ってすぐのところにあるコンビニに緊急ピットイン。時刻は19時。おにぎりを食べ、温かいコーヒーを飲む。そして、背中に背負っていた防寒具をフル装備することにした。日中は、「なんで防寒具を背負って走ってるんだろう……」って思ったけど、本当に防寒具を持っててよかった。

すると、バックパックに鳥の糞が直撃しているのが判明。なぜブルベの途中に一人寂しく鳥の糞の拭き掃除をせねばならんのか。ただ、背中に直撃だとメンタルに大ダメージだったと思うのでバックパックがあってよかった。バックパックを背負うと転倒時の背中の保護に役立つという話があるけど、今回わかったのは鳥の糞の直撃を防ぐという点でも有効だということだ。

長袖のアンダーを着込み、アームウォーマー、レッグウォーマーを装備、ウインドブレーカーを着て、富士見峠へアタック。ここは北からだと斜度も緩いのでもう終わったも同然の気持ちで登っていく。

そして20時過ぎ、富士見峠をクリア。あとは石和温泉まで50km下ればゴールだ。

といいつつ、腹が減ってきて最後まで我慢できず、ゴール10kmぐらい手前のコンビニで一回休憩する羽目になった。

1003.0km Goal 石和健康ランド

石和健康ランドに到着したのが22時40分頃。ノートラブルで本当に順調に進んだ1000kmだったと思う。もともと三日目は宿を取るつもりはなかったので、事前の計画通りの旅となった。9日の明け方あたりにゴールする予定だったけど、一日目に追い風で条件がよかった分、そっくりそのまま前倒しになってゴール時間が早くなった感じ。

国道20号を下っているときから、とにかくステーキなりハンバーグなりトンカツなり、肉が食いたいという一心で走っていたので、ゴール即近くのレストランに移動。23時半のラストオーダーに滑り込んで、ヒレカツを食べてとりあえず満足。はじ〜さんとは入れ違いだったみたいで失礼いたした。

翌日着るためのジャージを洗濯し、風呂に入って就寝。

10月9日(月)

8時頃に目が覚めた。風呂に入って外へ出ると、続々とゴールしてきている。最後のトリさん、ハラポンさんを出迎えたところで解散。13時頃に石和健康ランドを離脱し、輪行で帰宅。

今回は昨年の反省もあって準備は抜かりなくやったつもりだったけど、それでも抜けがあって、というか準備が遅くて、結局荷物は全部持って走る羽目になった。途中のドロップバッグはなし、石和の荷物預かりも利用せず。ただ、できるだけ荷物を減らしたので、大きな負担にならなかった。これは去年からかなり改善したところ。身体の方も首から肩にかけてちょっと凝り始めてきたかなぁと思うとすぐにストレッチをして大事に至らないようにした。そういうわけで、大きなトラブルがまったくなく、マージンを十分持った走行で、本当に気持ち的にも楽だった。すべてが上手くいったブルベだったと思う。

去年残してきた宿題はこれで終わり。今年の大きな課題を一つ片付けた。

Naoki@チタン星人 (@Naoki_RL8) | Twitter

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あと、鍵がかかっているけど一応リンクを貼っておく。