highriseの日記

自転車に乗ったり、外れ馬券を買ったりしている。

オルフェーヴルの時代へ

1〜2コーナーにかけて、見た目にもわかる超スローペース。アーネストリーとしては番手から競馬をしたかったのだろうけど、スタート直後から押し出されるようにして先頭へ。メイショウドトウが押し出されるように逃げさせられた天皇賞(秋)のようだった。佐藤哲三は決め打ちしてくると強いけど、1周目の直線に入るまでにしきりに内の馬を見て前に行かせようとしていた感じで、自分の形を作れなかったか。目標にできる逃げ馬を作れなかった時点でレースはグダグダに。
1000m通過を聞いたときには、後方にオルフェーヴルが待機していたし、これは前で決着するのか、なんちゅー凡戦だよと思った。アーネストリーもペースを上げないし、番手にいたヴィクトワールピサも去年ほどの進出を見せないし、みんな動かない。そんな中、オルフェーヴルが3コーナーから自分で動いてまとめて差し切ってしまった。超スローでどうなるかと思われたけれども、終わってみれば満足というか、オルフェーヴルが想像以上に強い勝ち方をしてくれたおかげで、オルフェーヴルの可能性が大きく広がる有馬記念になった。超スローというよりも、三冠馬が新たな強さを見せた有馬記念と考えれば、見所のあるレースだったと思う。
ブエナビスタは直線に向いたところで置いていかれ、ヒルノダムールにも交わされる始末。少し残念なラストランではあった。ウオッカが引退したときに、牡馬に混じって府中の1600m、2000m、2400mを勝つ牝馬なんてそうは出てこないと思っていたら、ヴィクトリアマイルこそ牝馬限定だが、府中の1600m、2000m、2400mのG1を勝つ牝馬が続けて出てきてしまった。ディープインパクト引退以降、常に牝馬を中心に競馬が回った時代、ウオッカには牝馬であるがゆえの新境地への挑戦という文字が見え隠れしたものだが、もはやブエナビスタにはそういうことを感じなかった。ウオッカダイワスカーレットの後を受けて、強い牝馬エリザベス女王杯に見向きもせず、古馬王道路線を行くことを当然のことにした一頭だと思う。
ブエナビスタの時代から*1オルフェーヴルの時代へ。武豊のG1勝利は連続23年で終わり、リーディングはラスト2週で引っくり返した福永祐一へ、三冠馬の鞍上には池添謙一と、騎手の時代も変わる。来年の競馬も楽しみである。

*1:ブエナビスタ世代の日本ダービー馬がそのうちターフに帰ってくるらしい?