highriseの日記

自転車に乗ったり、外れ馬券を買ったりしている。

SR600 奥入瀬

oirase

先週の四連休で走ってきた。cherryさんからの「奥入瀬を走りにいきたいがクマが怖いのでクマ対策要員として同行せよ」というのがきっかけで、本当は去年の同じタイミングで走りに行く予定だったのだが、結局一年延期となった。というわけで一年越しのcherry内閣組閣である。

連休初日の木曜に現地入りして八戸をブラブラし、金曜日スタート、日曜の午後にゴールして、当日中に帰るプラン。cherryさんがやる気満々だったので宿とかの選択は丸投げした。また、道中も張り切って前を走っておられたため自分はついていっただけだった(向かい風が強い場面だけ前を走れと促された)。

JR武蔵小杉駅から輪行し、東京駅の新幹線ホームで集合。八戸までは遠いですね。

八戸に到着し、自転車を組み立て、まずは八食センターへ。

自分は常日頃から海鮮丼というのは過剰評価されていると思っている派の人間なのだが、十分満足できるぐらい美味かった。ごめんなさい。

鮫駅。サメの話しようぜ。

うみねこのみなさんがたむろしている蕪島神社。糞が落ちてこないかヒヤヒヤする。傘が必要だ。

種差海岸。ロードバイク乗りがたくさんいた。地元民にとってはいいコースだ。

街に戻ってスタバへ。cherryさんご所望のご当地フラペチーノ。想像以上に美味かった。

宿にチェックインし、近くのスーパーで夕食と翌日以降の補給食を買い込んで就寝。スタートは4時である。

Day 1

Start 八戸駅 7/23 4:00

我々の他に二人、同じ時間のスタートの方々がいた。cherry総理が張り切って前を行くので後ろをちんたらついていく。

最初はゆるいアップダウンを繰り返していく感じ。階上から軽米あたりは夏なのに結構霧が深かった。早朝だからかだろうか。そういうもんなんだろうか。暑くなくて快適だ。

今回は宿の選択もそうだけど、補給箇所のリサーチも全面的にcherry総理に頼っている。補給食は前日に買い込んでフレームバッグとバックパックに詰め込んでいるから問題ないが、気をつけないといけないのは水分である。自販機の有無もリサーチ済みらしい。

というわけで、道の駅やまがたでドリンクを補充。今回は真夏ということもあり、水分を欠かさないことがポイントである。二人ともボトル一本で行ったので早め早めの水分補充が大事。また、塩分チャージタブレッツと塩キャラメルをそれぞれ丸ごと一袋持っていっていたので小まめに舐める。

コース自体は信号がないし、斜度がきついところもないのでとても快適。

ひゅ〜。

平庭高原 7/23 8:41

ここでも自販機で水分補充していく。5時スタートとかにするとここのレストランで休憩ということも可能なようだ。この時間だとまだ開店前。

そして安家洞へ向かう。引き続き信号がなくてとても快適でペースは落ちない。途中、登りのピークとかで小まめに補給していく。とにかく一日目の最初の100kmぐらいの区間は補給箇所が少ないので、早め早めの補給をする。それ以降はそれなりにコンビニもあるのだが(cherry総理調べ)。

安家洞 7/23 11:06

真夏の空といった感じでめちゃくちゃ暑い。PBP反射ベストと同じL2Sのやつなので少々暑いが、関東平野に比べると湿気が幾分マシで不快というほどではない。

こういう渓流的なのが心地良い。

道の駅三田貝分校で昼飯休憩。かつての小学校が廃校となり、道の駅として再利用されているので給食セットがある。小学校の授業机もテーブルとして使われてる。

休憩を終えて出発する前に雨雲レーダーを見ると、これから向かう早坂峠方面に真っ赤な雨雲がある。かなり躊躇したが待っていても仕方なさそうなやつだったので、意を決して突撃することに決定。夏だから少々濡れても大丈夫だろうとは思っていたが、笑えるぐらいのゲリラ豪雨で一瞬でずぶ濡れ。思わず途中のトンネルで雨宿りしたが、やはり待っていても仕方ないのでカメラや財布の防水対策をして結局続行。早坂峠を登るにあたってかんかん照りよりはマシだろうと二人で納得して登る。頂上に着く頃には雨は止んでいてほんの10分〜20分程度のゲリラ豪雨であった。この時期は仕方ない。シューズが水没したのが辛いが、ジャージはすぐに乾いてしまう。

早坂峠 7/23 15:02

で、下り始めるとまたゲリラ豪雨に直撃された。さすがに下りは冷えるのでcherry総理は雨具を装着。自分も最近買ったペラペラのウインドブレーカー兼防水ジャケットを試しに着てみた。

岩洞湖まで下ってくるときれいさっぱり晴れ、道も乾いている。虹も出ている。いかにもゲリラ豪雨の後という虹だ。

この先のローソンは八戸以来の久々のコンビニである。ありがたく休憩する。各PCがほぼ計画通りの通過になっているので焦りもなく、順調そのものといった感じ。

小岩井方面への登り。残念ながら岩手山は雲に隠れて顔を見せてくれなかった。

小岩井農場 7/23 18:44

まだ明るい時間帯であった。小岩井農場と言えば安田さんリバースであるし、大学時代に小岩井ミルクとコーヒーを毎日ガブガブ飲んでいた時期があるので、ついに小岩井に訪問することができたかと感慨深くなった。一瞬で立ち去るんですけど。

雫石の町へ下り、コースを外れて宿へ向かう。一日目の宿は雫石の御所湖の対岸にある温泉街(行政区域的には盛岡市になるようだ)のロデムという宿。7〜8kmほどコースを外れるが、時間に追われるのも嫌だなということで、チェックイン時間にも余裕があるところを選択した。さすがに食事の時間には間に合いそうになかったので予約せず、近くのコンビニで食料を調達してから宿へ。19時半過ぎに到着で予定より30分ぐらい早い。

意識高いランドヌールなのでSR600や長距離ブルベでは洗剤と洗濯ネットはいつも持ち歩いております。洗濯機も乾燥機も使えるいい宿だった。温泉もよかった。

東京五輪の開会式を眺めながら早々に寝た。

Day 2

元々は4時にリスタートの予定としていたのだが、cherry総理がアスピーテラインの計画が少し強気すぎる気がするから早めに出たいということで、3時半に出発。

まずは仙岩道路で峠を超え、秋田県へ。雫石からは秋田新幹線の線路に沿って走るのだが、フル規格ではないとはいえあそこを新幹線が走っていると思うと不思議な気分だ。

仙北市に入り、最初のローソンは開店前なのでその先のデイリーヤマザキで朝食を兼ねた休憩を入れる。この辺も総理のリサーチがしっかりしていて素晴らしい。

湧き水。ここでボトルに補給するのでもよかったかも。

宝仙湖 7/24 7:27

本日も快晴。

ここからは八幡平に向かって登り始めるのだが、その前に前菜的な登りが一つ。玉川温泉のとこの登りである。といっても前菜どころではなくこれも十分な峠であるが。

いよいよ熊出没エリアへ突入するので緊張感が高まる。二人とも熊鈴を装備してきたので積極的に熊鈴を鳴らしていく。

しかしあれだ、熊の個体の中にもきっと好奇心旺盛なやつがいるだろうから、「なんか鈴鳴ってるクマ〜。おもしろそうだから行ってみるクマ〜」みたいなやつもいるのではないか。そういうやつは人を襲った挙句に駆除されるから淘汰されるのだろうか。

はい……

水が尽きかけでやばいのだが、「アスピーテラインの登り口のところには自販機あるよ」という総理の言葉に期待してダウンヒル

結果、自販機などなかった。おい……マジか……

ボトルがほぼ空でアスピーテラインに突入するのは絶望的である。登り口のところにあった公衆トイレの水道水でもよかったんだが、さすがにPBPでもないしそこまでしたくねぇよなという気持ち。アスピーテラインを数km登れば八幡平ビジターセンターがあるようなのでそこまでは我慢する方向で。

八幡平ビジターセンターで自販機にありつきコーラ四つ並んでたので適当に押したらゼロカロリーのやつだった。ちゃんと確認するべき。

途中の展望台より。我々が登ってきた秋田側はかなり曇っていたので今回は残念な景色かもなぁと思って登いたが、なんとかギリギリセーフといった感じ。

登り切って岩手側を撮影したもの。こちらはいい感じの晴れ。登りは曇っていて涼しいぐらいだったのでこれはこれでラッキーだった。

八幡平レストハウス稲庭うどんを頼んだらゆで卵がついてきたんだが。

こういうことでいいのだろうか?

レストハウスでガツンと排泄をしたのだが、この排泄物が下水道で流れていくのだとすると、一体我々とこの排泄物のどちらが先にダウンヒルを終えるのだろうかね?とか言っていると総理にすごい呆れた顔をされた。すいませんでした……

八幡平の駐車場から出て、がんばって登ってきた秋田側へ下ろうとする総理の方向音痴っぷりが発揮されてやや焦る。

藤七温泉 7/24 12:30

八幡平からの下りは途中に面倒くさい登り返しがいくつかあってよろしくない。もっと気持ちよく下り切ってしまいたいんだ!

下界はまた真夏である。でも、これぞ東北という感じ。

安比高原から先の国道282号はイザベラ600で通ったので四年ぶりである。

で、国道沿いのローソンで休憩。十和田湖から下るまでコンビニはないのでちゃんと補給食も補充しておく。自分が補給も済ませてもう出発できるという段階でやっと買い物を済ませて店から出てくるのがcherry総理である。この辺の時間の使い方が全然合わないですな。

ローソンを出てしばらくすると急に雨の匂いがするようになり、ポツポツ来たねぇとか言っているとあれよあれよという間に豪雨となった。連日のゲリラ豪雨である。

慌てて近くのバス停に逃げ込む。雨雲レーダーを見ても救いがなさそうだったけど、突っ切ってしまえば雨雲ゾーンから出ることができそうだったので、仕方なしに雨の中を行く。そして10分も走ればまったく道路が濡れていなかった。ピンポイントで降られてしまったということで運が悪かったとしか言い様がない。

田子町へ向かう道は大きなアップダウンはないが小さなアップダウンが連続するので、ルートオーナー様に悪態をつきたくなる区間である。田子町に出てから一度自販機休憩を入れて秋田県境へ向かって登る。

秋田県境 7/24 18:47

20時に十和田湖畔の宿に着くのが怪しくなってきたため、宿に連絡を入れようとする総理。食事を用意していただいているので、あまり遅くなってはいけない。電話が繋がらなかったので、自分は一旦ここから下ったところ(発荷峠の前)で連絡すればいいのではと考えていたのだが、総理は発荷峠から下ったところで連絡すればいいのではと受け取ったようで、意思疎通に問題があった。

一旦秋田県境から下って発荷峠へ向けて登るのだが、全然総理が止まる気配もなくそのまま発荷峠を登っていくので、あれ〜?と思いつつ、まぁいいかとそのまま走行を続ける。発荷峠はこれまでよりペース上がったなという感じで、これはもしかしたらギリギリ20時に宿に滑り込めるかもという雰囲気になったが、やはり峠でがんばり過ぎたみたいで総理がハンガーノックになってしまった。

発荷峠から十和田湖を望むが、まぁ残念ながらという感じ。ちょっと間に合わなかった。

自分が先に発荷峠を下ってしまったが、総理が全然発荷峠から下りて来ないし、5分ぐらい待っても全然下りてくる気配がないので心配になって登り返すかと思って、その前に宿に到着が遅れると電話していたところ、やっと総理が下りてきた。下りの途中で力が入らなくなったので補給食を食べていたらしい。十和田湖畔を走っているときもかなり情緒不安定になっていて、マジ切れマジ泣きしていた。

民宿さくら荘には20時20分ぐらいに到着。すぐに食事にした。食事がめっちゃ豪華であったが、総理はさすがにかなりやられているようで、結局自分が1.5人分ぐらい食べた。これを残すのは申し訳ない。

この宿も洗濯機があるので、風呂に入って洗濯して就寝。

Day 3

宿の方に用意していただいたおにぎりを食べて4時半前には出発。一つだけ食べようと思っていたのが、総理の準備待ちの間に二つとも食べてしまった。ちょっと早めに出ようとは言ってたけど、結局少し遅い出発になってしまった。

十和田湖カルデラ湖なので湖畔から脱出するには峠を登らないといけないし、特に内側から外側へ出るときは斜度もあるので大変。朝からがんばって登り、気持ちよく下って虹の湖へ。

道の駅 虹の湖 7/25 5:39

全般的にそうなのかよくわからないけど、東北は夏でも結構霧が出ちゃうのかね。

このコントロールは道の駅のスタンプをブルベカードに押してもいいのだけど、残念ながらまだ開店前だった。さすがに9時まで待っていては60時間以内のゴールは難しい。

虹の湖というのはダム湖なんだな。

傘松峠の前では最後のコンビニとなる黒石のローソン。ここはイザベラ400のときにもコントロールになっていたローソンである。四年ぶり。

イザベラ400ではトンネル側から来て、トンネル側へ折り返していった。懐しい。

cherry総理はやっぱりあまり元気がなく、固形物はちょっとしんどいかなという状況。傘松峠から下った後、奥入瀬渓流を登る前に上高地食堂でバラ焼きというのも当初のプランにあったけど、固形物を食べる元気もないし、ここまで来たらなんとかランドヌール部門で完走したいので、時間に余裕を持っていたいということで、今回は上高地食堂は諦めることにした。上高地食堂で10時の開店と同時に入って11時に出てきたら5時間で75kmぐらいだから大丈夫でしょと進言したものの、常に1時間ぐらいは時間に余裕を持っていたいというのでバラ焼きはまた今度。

というのを閣議決定したので、傘松峠に向かってえっちらおっちら登っていきます。アスピーテラインに比べると斜度はないけど、とにかく長い。しかもあまり日射しを遮るものもないので、直射日光が容赦なく体力を削ってくる。そして地理においてはとてもポンコツな総理が「前に見えるのは岩手山?」とかいうやれやれという発言をかましてくる。まったくやれやれだぜ。ここは青森県だぞ。

自販機はオアシス。

絶景スポットである城ケ倉大橋。本当に晴れててよかった。ここはどの季節に来ても絶景が見れると思う。

酸ヶ湯温泉。総理はテントで売ってたブルーベリーのシャーベットみたいなやつを飲んでた。一口飲ませてもらったがめちゃくちゃ美味かった。これで随分回復したそうで上機嫌になってた。

さらにえっちらおっちらと登っていく。長い。

いい湯っぽいですなぁ〜クマも温泉につかりに来るでしょうなぁ〜と思ったのだが。

こりゃだめだ。死んじゃう。

傘松峠 7/25 9:15

最終日のラスボス終了。

ここからの下りは長くて時間を稼げるのだが、路面が悪いので総理の悲鳴が聞こえてくる。奥入瀬渓流の入口まで下りてきて予定通り上高地食堂はパス。

実際問題、上高地食堂に行こうとすると、ゴールまでの距離を考えると4時スタートではちょっと厳しいかなという気はしていて、5時スタートにするべきかなと思う。上高地食堂からゴールまで残り75kmぐらい。10時開店と同時に入って一時間ほど食事に時間を取って11時にリスタートすると、16時の60時間制限まで残り5時間で75km。5時スタート組なら残り6時間で75km。少々登るとはいえAve15kmは余裕で出そうなのだが、少し時間に余裕を持っていたいのならAve18kmぐらいが必要になる。奥入瀬渓流十和田湖畔まで登ってさらにもう一つ峠を登ってしまえば、キリストの墓まで長い下りなのであまり心配する必要はなさそうに思えるが、SR600の最後にそんな元気があるのかという問題もあるし、今回は暑さの問題もあるので安全策を取るということであった。総理曰く、「やはり一時間は貯金がほしい。バラ焼きよりもランドヌール部門での完走だ」と。自分は貯金が15分あればOK、30分あればまったく問題なく、一時間なんて大富豪だろうと思っていたが、ここは総理とは意見が一致しなかった。ないとーさんにギリギリ隊の鍛錬をしてもらったので、割りとギリギリ隊の心構えができていると自負している。

いや〜、素晴らしかった。いい場所すぎて全然進まない。

十和田湖畔に戻ってきた。奥入瀬渓流であれこれと写真を撮っていると総理は先に行ってしまったので、最後の峠に向かう前の交差点で再合流。ここはイザベラ600で本来ルート組と奥入瀬渓流組が合流した地点で、距離が足りないんじゃないか問題で議論がなされていた場所である。自販機があることは知っていたのでしばし休憩。

この日は登ってても下っててもとにかく水が消費されていくので、道の駅しんごうで最後の休憩。濃厚なソフトクリームであった。

キリストの墓 7/25 13:15

これが噂のキリストっぷ。

ゴールまではほぼ下り基調なのだが、向かい風であったので「前に出ろ」という命令を受ける。最後の最後が広域農道のようで、アップダウンが多くてまたまたルートオーナー様に悪態をつきたくなる。

八戸駅 7/25 14:54

総理の言う通り、1時間ほど余裕を持ってのゴールとなった。

ローソンで食料を調達して、しばらく駅前に座り込んで休憩した後、近くのはちのへ温泉へ。そして19時過ぎの新幹線で帰宅。

ゲリラ豪雨に直撃されたけど雨が降り続くということもなく、暑いとはいえ関東平野のようなうだるような暑さでもなく、この時期にしては概ね快適なSR600であった。事前にいろいろリサーチしてくれた総理に感謝である。