BRM922 東京1000 ええじゃないか伊勢
首の凝りで頭が上がらなくなり、伊勢のPCでDNFとなった。コンディションが悪く、学ぶべき点の多いブルベだった。間違いなく経験値は上がった。
6月の白馬・木崎湖以来、夏場は休日出勤ばかりでまったく自転車に乗れず、そんな中、休みが取れそうという理由だけで、8月31日の追加募集の締切ギリギリに衝動的にエントリーしてしまった。そういうわけでなんとか体を動かす時間を確保せねばと思い、9月に入ってから夜に自転車に乗ったりしたものの、結局この夏は100kmも乗れなかった。体力面はだいぶ不安だった。
加えて、9月半ばまで繁忙期が続いたため、コースの近くに何があるかの把握もせず、主催者提供のルートラボの注をざっと確認しただけ。走行計画はざっくり、ドロップバッグなしで荷物は全部持つということにしたので、これもまた不安な点だった。
荷物は当社比過去最高を記録したはず。全行程(ゴール後に甲府から自走で帰る予定だったので、その分も含む)を録画するつもりだったので、アクションカム用のバッテリーを計4本。Anker 20100mAhを2本、cheero 13400mAhを2本。あと、スマホ用にSANYO eneloop mobile booster 5000mAhを1本。ライト類の電池は単三、単四計で50本と、これだけでもかなりの重量になった。それに着替えやらレインウェアやらを追加していると、自転車を持ち上げたときに「ウッ……」となるような重量に仕上がった。平坦基調のコースなのでこれでも大丈夫だと思っていたが、豊川から岡崎に抜ける峠で、初めてブルベで押し歩きをした。
などなど、体力面と準備、装備面に不安がたくさん、一方で浜名湖までのコースは春に走っているので安心。浜名湖〜伊勢〜浜名湖と富士川橋から甲府までは未知のルートだが、それでもコースの半分ぐらいは知っている道というのは心強い。
なお、雨が降っていたので、写真をほとんど撮っていない。
Day 1: 9月22日(木)
前日は午後休を取って早々に帰宅し、GPSのルートの最終確認をした後、21時頃に寝た。3時頃に起きると雨が降っていて、雨雲レーダーを見ても雨が止むことはなさそう。1日目と2日目は雨予報が出ていたし、仕方あるまいと意を決してとどろきアリーナへ。
5時スタートは10人程度。ブリーフィングの前に車検を済ませていたので、みなさん早々に飛び出していってしまった。GPSやアクションカムの設定をしていたので5分ほど遅れて最後尾からスタート(スタッフの方がもう一人いた)。
中原街道を走っていると、信号峠でやっと先にスタートした集団に追い付く。最後尾にくっついて走っていたけども、随分ペースが緩い。雨で全然ペースが上がっていない。かといって、追い抜くほど遅くもない。R東京がよく使う平塚北豊田のコンビニまでいつもより10分〜15分程度時間かかるかなというぐらいのペース。
この頃、神奈川県には大雨警報が出ていたらしく、途中でKさんがコンビニに逸れ、そのままDNFした模様(タイヤトラブルだったらしい)。早めのDNFが正解というか、完走を除けばDNSが正解なんだろうなと思った。先頭にいたKさんがいなくなり、集団もばらけ始め、国道1号に出る頃には5時スタートの集団も散り散りになったので自分のペースで走る。いつものルートで熱海へ。
で、熱海から函南への峠。これが今回のコースで唯一の大きな峠。浜名湖600のときもえっちらおっちら登ったけど、今回はなんせ荷物が重い。早々にインナーローに入れてヒッヒッフーの息遣いでなんとか登り切った。
函南まで下りて来ると雨がマシになった。
PC1 サークルK函南平井店(108km) クローズ時間12:12 通過10:57 (貯金1時間15分)
ここからは平坦区間。沼津から由比にかけての間は雨が止んでくれたので助かった。途中、興津のたい焼き屋でCさんが共食いしているのを見た。とりあえずウェーイ!と言っておく。
残念なことに、清水駅の近くに差し掛かるとまた雨が降り出した。やれやれ。
通過チェック ファミリーマート駒越店(171km) 通過14:23
通過チェックのコンビニで休憩し、いちご海岸通りから宇津ノ谷峠へ。今回は大正トンネルを抜けて焼津へ下る。登ったというほど登らない。ここは丘みたいなものだ。
焼津駅を抜けてから港の方を通ってダラダラと平坦が続く区間、春はここで参ってしまい、途中で休憩を入れたけど、今回は元気だったので、御前崎のPC2までノンストップで一気に行った。大体想定通りの時間。
PC2 セブンイレブン御前崎港店(242km) クローズ時間21:08 通過18:13 (貯金2時間55分)
次の岡崎の通過チェックの前に、浜名湖の弁天島のコンビニ(300km地点)で一旦休憩を入れる予定で再スタート。たぶん21時半ぐらいに着くだろう。夜にこの御前崎から浜松への区間を走るのは、初見だとかなり退屈と思うが、一度走っているので大丈夫。問題ない。
休憩地点 サークルK弁天島店 通過21:30
ほぼ想定通りの時間で到着した。ここまで300kmほどを走って、約3時間半の貯金。十分だ。ちなみにCさんという、荷物が多いことに定評のある鯛焼き好きの方、自称フル装備とかいう見るからに重そうな自転車で元気に走っている。
本当は弁天島で一時間ぐらい仮眠を取ろうと思っていたのだが、全然眠くないので、コーラ(ガソリン)とダークマター(石炭)を投入して走行再開。とりあえず次の岡崎の通過チェックまでは行ってしまおう。
静岡県とおさらばすると、あっという間に豊橋。昨年、中学の友人の結婚式のために訪れた豊橋駅。まさか自転車で来るとは思わなかった。久しぶりに会った中学時代の同級生と駅前をうろついたのももう一年前。豊橋駅前を過ぎて豊川に向かっていると前方に信号待ちをしているCさんを発見。ブリーフィングによると、豊川から岡崎へ抜ける峠区間は野生動物も出るらしいし、雨が降る深夜に一人で突入するのはどうなのよと思っていたので助かった。と思っていたが、Cさんが溝にタイヤをはめた上に電池交換もするっちゅーことで、先に行けという合図をするので、そのまま一人で進む。
ゴルフ場の前の方の峠は斜度もそれほどでなく、問題なくクリアしたが、いよいよ豪雨という感じになってきた。こんな雨が降るド深夜に一体どこを走っているんだという気持ちになる。二個目の峠はルートラボでも激坂ありと書いてあったし、なんせこの荷物だしということで、登り始めにダンシングをして、あっこれは後輪が空転しそうだなとなったところであっさりと自転車を下りた。台風一家さん一過の影響で木も散らかっているし、こんなの登れません。ブルベやってて初の押し歩きです。
野生動物には遭遇しなかったけど、でかいカエルとかカニがいてなかなかの峠だった。峠のピーク直前でCさんにパスされた。また、下りも路面状況が悪いし、雨は降っているしで、ウムこれは殺しに来てるなという感じだった。正直、これは怪我人で出てもおかしくないだろ〜と愚痴りつつ下った。はー、疲れた。
1時半頃に通過チェックに到着。
通過チェック サークルK岡崎おい町店(365km) 通過01:33
少しするとイーチョさんやJさん(BAJ2400の応援で氷上に行ったとき以来お会いした)も到着。Cさんが仮眠場所として検討していた平針東海健康センターまではまだ50〜60kmあるので、そこまで眠気を騙すのも無理。このコンビニで仮眠することを決定。深夜なのでイートインコーナーは使えず、雨が降っているものの、コンビニの裏手の人目に付きにくいところで仮眠しましょう。
Cさんはガチ勢なので、「山間部の」「雨が降る」「コンビニの駐車場で」「仰向けになって」寝ていた。ゴミを捨てにいって戻ってきて、仰向けになっているのを見たとき、少し引いた。自分は体育座りで寝ることが精一杯だった。なぜか二人ともエマージェンシーシートを持ってきていたはずなのに使わなかった。しとしと降る雨に体を冷やされ、あまりに寒く、一時間も寝ずに起きた。リスタート前に確認すると、後続の方はみんなイートインコーナーを使っている。後続の女性の方が一言言うと開けてくれたらしい。我々が外で寝たのは何だったんだ。
Cさんはこの仮眠の影響で頻尿おじさんになったらしく、その後、よくトイレに行っていたそうな。
Day 2: 9月23日(金)
次に目指すのは名古屋を抜け、佐屋の通過チェック。平日なので名古屋市内が混む前に抜けてしまいたいと思ってがんばる。が、ここからは信号峠で大苦戦。ここだけだとAve15km/hギリギリとかじゃないだろうか。また、結構運転が荒い印象を受けた。平日なのでお仕事のみなさんが始動する頃だろうか。
7時半頃に佐屋駅西のコンビニに到着。
通過チェック サークルK佐屋駅西店(427km) 通過07:14
この先、三重に突入するとDNFも面倒臭そうというゾーンなので、どうする?行くのか?なぜ自分は走るのか?と自問自答しつつ、なんだかんだで走行再開。自分が飯とか一通り食い終わった頃に到着したCさんだが、弁当とか一通り食って、自分と同じタイミングでリスタート。食うの速すぎでしょ。
三重に入ってから津の通過チェックまでは、アップダウンが多くて難儀した。1000km通しのルートラボでは平坦に見えるが、この区間だけを取り出すとそれなりに凸凹がある。100mぐらい登って下っての繰り返し。平坦基調と思っているので、想定外の登りにそこそこダメージを受けた。例えば、この先に斜度5%で1kmの坂があると頭にあれば、なんてことのない坂だと思うけど、予定していないところで急に登りが始まって1kmぐらい続くとそれなりに追い込まれる。どれぐらい力をセーブして登ればいいのかわからなくなるからな。
また、路面も決してよくなかったし、なんでわざわざこの登りを通すんだよ!という悪意の感じられるルートの引き方でもあった。
津の北黒田の通過チェックに到着するちょっと前から、首が凝るなァ〜頭を上げるのが辛いなァ〜という状況になり、ちょっと不安になってくる。
通過チェック サークルK津市北黒田店(484km) 通過11:22
津の通過チェックを出れば、伊勢のPCまでほぼ平坦。旧伊勢街道はどれぐらい時間を稼げるのか、それとも信号なんかでほとんど稼げないのか、といろいろ考えていたけど、信号も多くなく、そこそこ稼げる区間だった。
ただ、旧伊勢街道を走っているときに、いよいよ頭が上げられなくなり、前方確認もできなくなる始末。首が凝って、常に頭を上から押さえ付けられている感覚で、真下しか見れない。これは続行は無理かなぁ〜ということで、伊勢のPCでDNFすることを決めた。
伊勢市街地に入る手間でCさんに抜かれて、「前引きましょうか〜」と言ってもらったものの、前が見えないので付いていくのも無理。トップチューブの上に背筋を伸ばして座れば前は見えるけど、それだとペダル回すのが難しいしな。
15時過ぎに伊勢のPCに到着。
PC3 サークルK夫婦岩店(543km) クローズ時間17:12 通過15:16 (貯金1時間56分)
ここまで2時間ほどの貯金を確保。上出来だと思う。600kmを超えると制限時間も緩くなるので、無理して走ればなんとかなりそうな気もしたが、やっぱり前が見えないというのは怖い。600kmブルベだったら残り60kmなので走ったと思うけど、残り450kmは無理して走る距離ではない。この日は伊勢のPCから150km先、700km地点の平針健康センターまで戻るつもりだったものの、この状況で名古屋市内を走ると事故必至だ。ここで終了。
さくっと近くのホテル・リゾートイン二見*1を確保し、7時スタートのクローズ(19:12)後もしばし待機。20時前ぐらいまで伊勢のPCで後続のみなさんを見送ってから退散。
伊勢到着の時点でタイムアウトになった方もいたが、「ここから先は自主練で〜す」と言って走り出していった。っょぃ。
イーチョ on Instagram: "イェーイ*\(^o^)/*"
伊勢のPCにて。イーチョさんのInstagramの写真を拝借。
走り終えて
辛い記憶にはなってしまったが、1000kmを走るつもりのペース配分だったので、540km地点でも脚は全然問題なく、DNFとはなったものの、体力的には1000kmや1200kmも十分行けそうだなと実感した。
首は当面様子見であったが、今は問題なし。ドロップバッグなしで荷物全部持ってたので、バックパックが重すぎただけならいいんだが、原因が違うなら解明しないといけない。
一方で、やはり装備は見直さないといけない。保険に保険をかけて多めにバッテリー類を持っていたが、途中で充電するとか*2、単三単四はエネループじゃなくて、コンビニで買って済ますのも一案。ドロップバッグを使うことも考えないといけない。荷物の重さが首の凝りになったのかなとも思うので、ここは要見直し。また、事前にここと決めた宿を取って走行計画を立てるというのも経験値を溜めていかないといけない。
雨具はどうしようか。結局、伊勢までずっと雨具を着ていたけど、正直24時間以上雨の中を走ると、雨具なんてほとんど意味がないと思う。上はモンベルのストームクルーザー、下はモンベルのサイクルレインパンツを使っていたが、どっちも二〜三時間なら快適だが、それ以上になるともう中も汗でズブ濡れ。今回ほどの長時間の雨天走行なら雨具なしでいいんじゃないか。
グローブは普通の指切りグローブの下にビニールの手袋をしていたのだが、これは水を通しちゃうやつだったので大失敗。水がたまりまくってた。途中で脱いだ。
足元は上手くいった。ビニール袋を履いて、シューズを履き、その上からモンベルのレインシューズカバー*3を履いた。峠を押し歩きしているところで少しずつ浸水してきちゃったが、概ね成功だったといえる。
バッグ類はオルトリーブに敵うものなしという結論になった。自分は財布やデジカメはSea To Summitの防水スタッフバッグに入れて背中のポケットに入れているのだが、スタッフバッグの中に浸水していたので、財布はベタベタ、デジカメもGRD4が濡れてしまい、悲しい気持ちになった。モンベルのフロントバッグは底に水がたまっていて、ビニールの小分け袋が開いてたエネループモバブーが水没。塩飴が水没して溶けてドロドロ。フェアウェザーのフレームバッグは、アクションカム用のモバイルバッテリーを入れてあったのだが、どうしてもビニールの一部を開けておかねばならず、そこから湿気が入り、結果やや水没という形。モンベルよりはマシだけど……という程度。しっかり防水したつもりだったが、様々な物が水没して悲しい。
着替えを入れてあったオルトリーブのサドルバッグだけは一切の水没なし。オルトリーブ以外は全滅だったので、さすがオルトリーブということでオルトリーブ株爆上げである。装備関連については少しずつ見直していきたいと思う。
とにかく雨雲レーダー見るのが憂鬱だった。リベンジしたい。ブルベを始めた頃は四桁kmとかどんな変態の世界だよと思っていたが、今回DNFしたとはいえ完走可能な距離だと思えたので、今後も挑戦したい。