highriseの日記

自転車に乗ったり、外れ馬券を買ったりしている。

ウオッカ引退

挑戦半ばにして、ウオッカが引退してしまった。
2006年の有馬記念ディープインパクトが引退し、スターを失った中央競馬はどうなってしまうのだろうと思ったものだ。新たなスターを見つけようと、オーシャンエイプスやナタラージャなんかが英雄二世みたいな言われようをしていて、なんかこう、スター急募!みたいな感じがして、あーなんか必死だなとか思っていた。
しかし、今思えば全くの杞憂であったし、ディープインパクトが牡馬クラシック三冠、古馬王道路線に凱旋門賞遠征と、正統路線のど真ん中を突き進んでいったのとは対照的に、牝馬でありながら、ダービー挑戦、3歳牝馬宝塚記念出走、3年続けてのドバイ遠征、牡馬に混ってマイルからクラシックディスタンスまでG1出走と、ひたすら挑戦し続ける競走生活は、ディープインパクトの2年とはまた違った意味で、競馬見ててよかったと思える3年間だった。
海外制覇という挑戦は達成できなかった、だから未達成感があるというよりは、十分やり切った感がある。挑戦するたびにこちらの想像を上回る形で答えを出してきて、その一つ一つが一頭の牝馬が一つでもやりとげただけでも十分讃えられるものだと思われるだけに、これをいくつも積み重ねたウオッカだからこその充実感かなと。一つ達成できなかったからといって何も残念と思わせることがないほどに、積み上げたものが大きい。府中専用機とはこれからも言われ続けるだろうが、追い込み一辺倒を打破したあとのウオッカなら中山競馬場でも十分勝ち負けしたと思っているし、それが実現しなかったという点で残念といえば残念なぐらい。
エルグラスペ論争が10年経った今も続いているように、ウオッカダイワスカーレット論争もこれから何年も続いていくことになるのだろうし、そういう意味では、2008年の天皇賞(秋)でたった2cmであるけれどもウオッカが先着したということは非常に大きいし、これから歴史的な意味を持つ2cmになるのだろうな。
個人的には、ウオッカには特別な思い入れなく割りと客観的に3年間見てきたつもりであったが、2009年のJCの直線、スクリーンヒーローから馬券を買っていたので、もはや何が勝とうが関係ないのに、大外から追い込んでくるオウケンブルースリを見て、ウオッカ頑張れ!粘れ!という感情になったのを覚えている。