http://www.aj-gunma.org/2010/01/brm708600.html
「暑い」の一言に尽きる600kmだった。先月の佐渡200の後、酒を飲みながら「9月の白馬木崎湖まで予定もないし、7月にも走るか」と軽い気持ちでエントリーしてしまったので、暑さに対する心構えが低下してた。
数日前までは雨が降る可能性もあるという予報だったし、一応東北地方を走るので、レインウェアと防寒着を完備。装備は万全であったが、夜になっても水浴びをしながら走っていたし、一滴も雨に降られなかったので、結果的には完全に無用の長物だった。
金曜日
15時に退社して、真っ直ぐ帰宅し、着替えてすぐに出発。武蔵小杉駅から東京駅へ、といきたかったが、宇都宮行きに乗っていることを失念し、電車は新宿方面へ。やってしまった。あーあという気持ちで恵比寿駅で山手線に乗り替えた。帰宅ラッシュの時間帯に山手線で輪行するという事態になり、汗だくで東京駅へ。そこから新幹線で高崎駅、在来線で前橋駅に着いたのが19時を回ったぐらいだったか。
前橋駅から15分ぐらい走ったところにあるパークホテル楽々園というホテルに宿泊。近くのコンビニで夕飯と朝食を調達し、部屋でパリ暮らしのペリゾッティ借りぐらしのアリエッティを見ながら夕飯を食べ、風呂に入って22時過ぎには就寝。
パークホテル楽々園、今回はブルベの前泊という寝れれば何でもいいという状況だけど、施設はだいぶ古いのでまともに宿泊するならあまりオススメできない。
スタートへ
3時過ぎに起き、買っておいた朝飯を食べ、川沿いを走って道の駅よしおか温泉へ。今年の群馬600は7月開催で他の団体のブルベと日程が重なっておらず、遠征組も多く、例年より盛況らしい。群馬スタッフのWさんとはイザベラ以来。R東京のKさん(一緒に走るとろくなことがない人番付・東横綱)もいた。久しぶりだ。
5時過ぎにスタート。ブログを読んでるしゅらいくさん*1を発見したので声をかけた。特徴のある自転車はわかりやすい。
まだ国道122号にも入っていない段階のちょっとした登りで、フロントをインナーに落としたらチェーンが落ちた。パナチタンにしてからこの手のチェーン落ちは初。
足尾に向かう国道122号は先月のたまがわ600で走ったので、どんなもんかわかっているので心配なし。というか、たまがわ600で上三依塩原温泉口駅までは走っているし、大峠はイザベラ300で走っているので、米沢まではすでに今年走った道といってもいい。登りの具合も知っているので心配なし。
草木ダムの手前ぐらいでKさんを発見。後ろ姿から醸し出されるオーラが重々しいの一言で、「筋肉!筋肉!」って感じで登っていくから一発でわかる。また、ディスクブレーキ用のZONDAになっていたので、ZONDAユーザーの首をへし折りマンさんの出番だ。しばらくすると群馬スタッフのWさんが後ろからやってきてびゅーんと飛んでいった。
足尾を過ぎたあたり。緑が眩しい!そして暑い!
日足トンネルから下り、日光に向けてちょっとした登りのところで、またチェーン落ち。オイル不足かしら。
PC1 ローソン日光所野店 84.6km
すでにクソ暑い。一ヶ月前のたまがわ600ではこのコンビニに避難して防寒着を着込んだものだが。チェーン落ちが続いたのでオイルを塗り塗り。
ここからは福島県境に向けて国道121号を登っていくことになるが、斜度があるのは川治温泉を過ぎて五十里湖に登るところだけなので、自分のペースで淡々と登る。が、とても暑い。龍王峡を通過したあたりで耐え切れなくなり、川治温泉のところで自販機休憩。暑すぎ。ここで短パンを脱いでレーパンスタイルになった。レーパンスタイルでブルベを走るのは初。それだけ暑かった。休憩しているとKさんが通過していった。
五十里湖を通過し、上三依塩原温泉口駅方面へ。今回は明るいので景色が新鮮です。
自主的通過チェック。一ヶ月ぶり。ここでも自販機で飲み物休憩。トマトの販売に来ていたおじさんにトマトいる?って勧められたが、水分だけでおなかいっぱい。
福島県境を越えて東北入り。GW以来。
この先はPC2までほぼ下り。だが、すでに休憩したい気持ちが高まっており、コンビニを見つけたら入る……コンビニを見つけたら入る……と独り言を言いながら下る。暑くて昇天が近い。
会津田島のセブンイレブンに逃げ込むようにピットイン。水分補給に水浴びをしてなんとか復活。ちょうどいい場所にあるため、他の参加者も吸い込まれてくる。話題はこの暑さについてのみ。この先の峠とかそういうのはもうどうでもいいんだ。とにかくこの暑さをどうにかしないといけない。あと、名前を存じ上げないけど、イザベラ出てましたよね〜と声をかけてくださった方がいた。そういえば見覚えがあった。
ほいで、そのイザベラ300で通ったルートを逆走し、会津若松へ。
PC2 ファミリーマート 会津若松七日町店 197.4km
水と冷えたフルーツを食うのがデフォ。
pc2 会津なのに32度
— かずらいど@BRM611、100周年記念 (@kazride) 2017年7月8日
暑くて休憩をかなりとってる pic.twitter.com/8S63K20fgD
写ってた。会津若松のPCで「自転車持ってみる?」「伊勢1000のときと同じぐらい重いじゃないですか……(ドン引き)」ってなってるところ。
Kさんはこの先でラーメンを食うのだと言っていたが、喜多方ラーメンはGWに食ったし、何よりこのずぶ濡れの格好で店に入るのもやや気が引ける。
しばらくして、店に吸い込まれたKさんを見送り、自分はそのまま進む。前回、大峠を通ったのは夜中だったので景色がまったくわからなかったが、なかなかダイナミックな景色だった。
GWはここでAKさんと一緒に「2度とかいう表示もあったよね!?」と驚いた記憶があるが、今回は20度ほど。大峠を登る手前は夕方なのに30度超えの表示だったので、本当に嫌になった。
大峠から下って、水分補給のために道の駅にピットイン。は〜、オアシスだ。もう次のPCまで我慢できない。先客にポールジローさんがいた。こちらもイザベラで知り合った方。
PC3 ファミリーマート川西上小松店 266.7km
なんか食うかと思い、麻婆丼を食った。激辛で後悔した。
新潟の健康ランドまでは100km強、順調に行けば日付が変わるぐらいには到着するかと計算し、そそくさと再出発。国道113号は基本的に下り基調なので快調に行けるはず。
だが、びっくりするぐらい路面が悪かった。特に自転車が走るべき白線内の端はアスファルトが割れたところが雑に補修されているため、素直に突っ込むといつパンクするかわからない。後続の車がいないときは、道路の真ん中、そうでないときは路側帯を慎重にというスタイルでやり過ごしていく。二度と走りたくないといってもいいぐらいの路面コンディションだった。明るい内に通過できる剛脚ならまだしも、日が暮れてからではちょっと……という感じ。
もうすっかり疲弊してしまい、新発田市に向けて左折する手前の関川のセーブオンにピットイン。一息ついているとポールジローさんも到着。「路面悪いですよね?」と、自分だけじゃないよなこれと確認。
この先はホタルがどうのこうのとブリーフィングで言われていたけど、よくわからなかった。
新潟市内に入ると、先月の佐渡200の翌日に新潟競馬場に向けて走ったコースを逆に通っていた。またこの道を通ることになるとは。
なお、日が暮れてもひたすら水浴びをしながら走っていた。
PC4 セブンイレブン新潟水島町店 376.3km
ちょうど日付が変わるタイミングで到着(レシートが手元にないのではわからないけど、たしか00:01だったはず)。結構いいペースで来てるので6時間ぐらい貯金ができてる。これは健康ランドでがっつり休憩のパターン。
ということで、ホンマ健康ランドへ。先客が二人いた。
ブルベの最中のホテルの行動にも慣れてきたもので、ささっと風呂に入り、次の日の準備をして、寝るという一連の流れが滞りなく行えるようになってきた。ただ、仮眠用ソファの隣りにいた方のイビキが強烈でなかなか寝れず、途中で部屋の隅っこのただの床へ移動。とにかく意識を失って寝るのが優先だ。
Zzz...
おはようございます。予定より30分ぐらい寝坊したけど、ゆとりを持った計画だったので4時半前には健康ランドを出た。
そのまま最寄りのデイリーヤマザキで朝食を食べていると、Wさんが通過していった。新潟在住なので自宅を仮眠に使えるらしい。
日が登って暑くなるまでになるべく進んでおきたいなぁと思っていたけど、まぁすぐに暑くなってきて、燕市、三条市あたりですっかり暑さにやられ、セーブオン中之島店で緊急ピットイン。オッ、黄色い自転車が!と思ったらWさんもピットインされてた。
普段のブルベではPC以外のコンビニにピットインしてる人を見かけることは少ないけど、今回のブルベは通過するコンビニに参加者と思われる自転車が停まっていることが多かった。PCだけでは水分補給が追い付かなかったですしねぇ。
セーブオンをリスタートし、長岡市を抜け、PC5へ。Wさんとは長岡市内の信号峠ではぐれてしまい、ずっと一人旅。
PC5 セブンイレブン中越川口店 465.9km
例によって水浴びをする。ここで冷凍のカルピスを購入。背中のポケットに突っ込んで少しでも体を冷やす。あと、溶けてきたカルピスを飲むと甘さが染み渡るのもポイント高い。
この先はゴールまでPCが設定されていないが、50kmほど先の越後湯沢のコンビニで一回休憩をし、三国峠を超えるという計画で出発。
ひたすらペダルを回し、国道17号を進む。川沿いの景色はフォトジェニックだったが、暑さで頭がやられているので、「こんなもん母方の田舎に行ったときにナンボでも見たやろ」と思い、総スルー。なにせ停まると暑いので、写真を撮るのに停まる気にならない。信号停車がとても辛い。
シャーマン急募。雨を降らせてほしい。暑くて死にそう。
石打の登りにオイオ〜イ聞いてないぞ〜と悪態をつきつつ、越後湯沢に到着。手前にセブンイレブン、奥にファミリーマートの看板が見えたが、ランドヌールたるもの、ファーストチョイスはファミリーマートである。イートインがある可能性が高い。ここでWさんと再会。ファミリーマートを選んでいる。さすがだ。
涼しいコンビニに入ると人権が復活する。外の暑さは人権を蹂躙していると言っても過言ではない。さて、ここで普段アイスを食べない自分がガリガリ君を食べました(ブルベだけでなく日常生活でもほとんど食べない)。言うほど好きじゃないのだけれど、さすがにこの暑さではアイスで体内から冷やさないと成仏してしまうという危機感があった。冷凍のカルピスも当然追加。補給をしながら、三国峠は初めてなのでWさんにどんな具合ですかと聞くが、2時間半ぐらい見ておけば登頂できる感じ。
先に出ていったWさんに続いて出発。途中で3回下るというのは予習済みなので、まず一つ目、二つ目という感じで登る。直登が辛いのが三国峠と聞いていたが、これぐらいの斜度の直登なら自分は大丈夫。というか、暑さがやばくて斜度どころではない。13時〜14時という一番暑い時間帯に三国峠を登るの、どう考えてもアホだ。気温がどれぐらいかわからないが、トンネルの中は涼しくて天国だった。
途中二つ目の下りのトンネルの中で後輪を段差に取られて壁に激突。転倒まではいかなかったが危かった。
えっちらおっちらとペダルを回し、なんとか登頂。あとは下るだけ。とはいえ、水分補給をしたい欲が高まっており、コンビニ!コンビニ!とぶつぶつ言いながらダウンヒルをし、下りの途中の赤谷湖のとこにローソンあるよというWさんの事前情報により、ローソン目指してダウンヒル。ゴールまで下り基調の60kmだと普段なら休憩なしで行ってしまいそうだけど、今回はそういうわけにはいかない。とにかく水分。
例によって水浴びをしてから出発。
沼田市から渋川市に抜ける利根川沿いの国道17号は迫力のある景色だった。交通量多くて自転車を停め辛かったので写真撮れず。
で、サイクリングロードに合流して道の駅よしおか温泉へ。サイクリングロードは日没後だと迷うかもしれないと思い、事前に十分予習をしておいた。よっしーさんが昨年サイクリングロードで迷ったという記事が参考になった。
ゴール 道の駅よしおか温泉 600.5km
17時過ぎに無事ゴール。腕がこんがり焼き上がった。夏に向けて焼こうと思ったら想像以上だった。
小一時間ほどスタッフのみなさんとお喋りをしてから、風呂で汗を流し、併設のレストランで夕食。
いくら暑くてやられていようが、食うもんは食うのである。20時前に失礼して、群馬総社駅へ。ナビ情報では高崎駅から新幹線で輪行すれば今日中に帰宅できるとのこと。
高崎駅で新幹線のホームに行ったらKさんがいた。群馬総社の一個北の駅から輪行したらしい。結局、ここで一緒になるわけだが。自由席が混んでたので別の車両に乗り込み、自分はデッキ部分の簡易座席に座って東京駅まで。東京駅でKさんとお別れして横須賀線で武蔵小杉駅へ。23時過ぎの到着だったので、帰宅してシャワー浴びて日付が変わる前に就寝。トラブルがあって遅くなったとき用に月曜日に有休を取っておいたので、ぐっすり寝た。
最後になるが、AJ群馬のサイトに風光明媚な600kmと紹介がある通り、本当に景色のいいコースだった。また、前半に大きな登りが三つ続いた後は緩やかな下り基調で新潟に向かい、ラスボスの三国峠を登り切るとゴールまでほぼ下りでゴールできるというメリハリのきいた良いコースだと思う。信号も少ないし、走りやすいいいコースだった。普段、都市部発着のブルベを走っていると、信号峠に悩まされるが、そういったこともほとんどなく、快適な旅だった。