highriseの日記

自転車に乗ったり、外れ馬券を買ったりしている。

BRM501 神奈川400 イザベラ (ヘブンウィーク二本目) 山形県金山町→青森県不老不死温泉

http://www.aj-kanagawa.org/2017-brm/brm501-400

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快眠でございました。シェーネスハイム金山はスキー場ということもあるが、朝晩は冷え込む。目が覚めてベランダに出て寒さを実感。きっちり着込んでいこうと決める。

正直、東北の朝晩の冷え込みを舐めてた。雨が降らなくてもレインウェア必携ですワ。

朝飯前に風呂で温まり、飯を食って、少し早めにスタート地点に向けて出発。

スタートへ移動

400kmのスタート地点のすぐそばにイザベラ・バードの記念碑があるらしい。今回のヘブンウィークのテーマにもなっているわけだから、寄らないわけにはいかない。

昨日のゴールだったファミマがスタート地点。ブリーフィングでマヤさんが「不老ふ死温泉は○○だから○○なのです」という知る必要のなかった情報を発信し、「そういうわけで早く帰ってきちゃダメ。できるかぎりゆっくりゴールするように。角館とか弘前の桜でも見てきてください」と言われたので、さてどうしたものかと思いながらスタート。

最初は秋田県に向けて緩やかに登る。後ろの方でひらひら走っていると、MさんとHさんと一緒になった。ここにH隊が結成され、一緒に登り続ける。どちらの方もお話をするのは初めて(のはず)。

はじめまして秋田県

秋田県に下りてきたところ。すばらしい景色でございますね。

問題のシーンでございます。おいおっさんなにしとんねん。

このあたり、周りが田圃ばかりになると風を遮るものがなくなり、H隊一同は風にやられて一気に失速してしまった。H隊長が苦しそうになっているところでMさんが前に出て引こうとしたものの、どうもついていけず、Mさんから離れてしまう。早くも部隊は二人。自分も同様に向かい風が強くなった時点で前に出てみたものの、どうも離れ気味になるので、そのまま来てしまった。二人とも実に薄情である。あっさりとH隊は瓦解した。許してほしい。

あと、ちゃりけんさんは自転車の調子が悪いらしく、BBだかクランクだかが緩んだということで途中でホームセンターに吸い込まれていった。

PC1 ローソン大曲西根店 95.8km

向かい風とかあってもそこそこの貯金ができてる。信号がないので自分の走行の平均がそのままグロスの平均になる感じ。とはいえ、今日はゆっくり行かねばということで、PC1を出た後は角館武家屋敷の桜を見にいくことに。

途中、道の駅に寄ってみたり。

武家屋敷にも寄り道。枝垂れ桜は見頃が終わっていて残念な感じ。満開だったらすごそう。ランドヌールっぽい自転車が店先に止まっていたのを見かけたので、ここで昼飯にしている方もいたのだろう。稲庭うどんの店があったので、そういえば秋田といえば稲庭だと思ったけど、PC1で食事をした後なのでここはスルー。

武家屋敷を出発して、この400kmで一番大きな登りになる大覚野峠に向けて走っていると、峠のちょっと手前でHさんとまた合流。お喋りしながら登る。ピークにはAJ神奈川のスタッフの方がいた。こんなところで待機しているとはありがたい。

ここからはPC2まで一気に下る。途中、前を走っていたHさんが写真を撮るといってコースを戻り始めたので、あとは下りだけだしと思って先に行く。Hさんが止まったところに「飲酒運転禁止!」みたいな大きな看板があったので、そういう写真のコレクションをしているのかな???変わった趣味の方だな???と思ったけど、マタギの里の写真を撮りたいだけだったそうだ。

外国人二人がバス停でゴソゴソやっているのでどうしたのかと思って停車すると、チェーンがフロントディレイラーに噛んでどうしようもないらしい。ボルトを緩めてどうにかするしかないのではと思ったその時、「ガッチャン!」という音ともに、なぜか直った。一同安心。こちらの外国人二人組、マレーシア、シンガポールからなので、とにかく寒そう。フランス人のジェロームさんが半袖半パンで走っている中、ダウンジャケットを着ているぐらいで、修理中も「Very cold!!!」と連発していた。

それにしても大覚野峠の下り、明りがほとんどないので怖い。少し前に「山怪」という本をパラパラと眺めていたことがあるのだが、このあたりのマタギの人達の体験を取材した本で、要は不思議な現象といってもそれはきっと動物によるものだろうという感じの本なのだが、そうは言っても……ということで、びびりながら走った。

PC2 サンクス阿仁前田店 188.5km

浜松のHさんやリカンベントのGさん、AKさんなどが先客。せっかく秋田に来たのだから稲庭うどんを食いたいという気持ちが高まっており、ここは軽く補給して北秋田市内で店を探せないかと思っていたが、スタッフの方に「この先もあまり期待できないからここで補給しっかりしておいた方がいいですよ」と言われたので、がっつり補給。

そしていざ出発してみると案の定、ルートの近くにうどん屋は見つけられず、ラーメン屋でもすでに閉店済み。東京の感覚ではいかんのだ。大館のココスにW夫妻やまこたさんがいるのを見かけたが、ファミレスでもよかったかもしれない。途中、大館市街地で一旦コンビニ休憩をしてホットコーヒーを飲む。すでに稲庭うどんは諦めた。こんなことなら武家屋敷のあたりで食べておけばよかったが、あの時はPC1の後なのであまり腹が減ってなかったしなぁ。

秋田県から青森県へ向かう矢立峠は、斜度も緩く、急なカーブもないので、ガシガシ踏みつつ登る。というか、寒いのでなるべく強度を上げて発熱していかないと凍えてしまう。峠のピークで青森県の標識を撮っているだけで、急速に体が冷えていくのを感じた。

はじめまして青森県

がーっと下って、通過チェックの黒石市のコンビニへ向かう。通過チェックの手前で(H隊長を見捨てていった)Mさんと久々に遭遇。この後の通過チェックのコンビニで軽く補給して、弘前市内のファミレスかなんかで仮眠しましょうという話になった。

通過チェック ローソン黒石南中野店 286.9km

稲庭うどんは諦めたが、うどんは食いたいのでどん兵衛を食べる。ブルベを走っているときは、人権の要求水準がかなり下がっているため、どん兵衛の揚げがご馳走になる。うまい……

さくっと補給を済ませ、弘前へ向けて移動。

Mさんと弘前駅の近くのガストでポテトフライを食べた後、1時間ほど仮眠。明るくなってから弘前城の桜を見て、それからゴールへ向かうのだ。ガストにはもう一人参加者の方が先客としておられ、亀太郎ジャージのハックさんという方らしい。ゴールまでご一緒することになる。

弘前城でMさんと桜を見てから出発。このあたりで仮眠していたランドヌールが多いのだろうか、ワラワラとみなさんがやってくる。少し走ると先に進んでいたハックさんと秋田で別れたHさんが二人で走っている。ハックさんは「弘前で仮眠してるから追い付いてこいよー」といってHさんと別れ、本当に弘前で合流したのだそう。かっこいい。

元H隊のMさんとわたくしは、向かい風の中、H隊長を見捨てるような形で先行してきてしまったため、Hさんを抜くことができない。Mさんに至っては「無言のまま前に出てそのまま行くか!?」とか言い出すので、「それは人としてどうか」と止め、ハックさんとHさんに合流することにした。H隊、200kmぶりぐらいに再結成である。

そうはいっても、H隊長、あんまり仮眠していないらしく、弘前から鯵ヶ沢に向かうアップダウンでペースが上がらず、このままだと結構ギリギリ隊になるかもな~という感じ。日本海側に出た鯵ヶ沢のローソンはPCではないけど、休憩したいということでピットイン。40分ほどのマージンがあるが、休憩して走り出した頃には30分もなかったのではないか。はてさてどうなることやら。あとは海沿いを南下するだけだが。

また、PC1の後、BBの交換に行ったちゃりけんさんも追い付いてきた。H隊が一人増え、ハックさんが前でH隊長を引き、Mさんや自分が後ろから「ほら!がんばれ!がんばれ!」とかなんとかH隊長を叱咤激励しつつ、5人部隊で最後のアップダウンをこなしていく。はじめは海沿いを南下するだけと思っていたけど、なかなかキツいアップダウンがあるし、風は強いしで、ハラハラドキドキの展開である。残り2時間で25kmとか細かく計算しつつも、登り坂で一桁台までペースが落ちるH隊長を見ていると、もしかしてランドヌール4人を引き連れてDNFになってしまうのでは……ということも頭に浮かび始める。

不老不死温泉手前の登りではついに押し歩き。これは……と思っていると、先に登ったちゃりけんさんはタバコを吸って待ってた。余裕だ。

通過チェック 陸奥岩崎駅 394.1km

一旦不老不死温泉を通過して陸奥岩崎駅まで下り、駅舎の写真を通過チェックの証拠として撮ってくるようになっている。ただ、最後はこれを登り返すのだ。時間に余裕は見ておきたい。陸奥岩崎駅でスタッフの方が待機しておられたが、「荷物、車に乗せていってよ~」「ダメ~」とH隊長とスタッフの方が話していた。すると、ハックさんが「荷物持ってあげるよ」ということで、H隊長の荷物を持ってあげてた。ヤダ、かっこいい……

なんとかゴールには間に合いそうというのが見えてきたため、途中の展望台で止まって写真を撮る余裕もあった。

ゴール 不老不死温泉 401.7km

H隊、無事に完走。最後は5人部隊で不老不死温泉に到着。26時間30分ぐらい。鯵ヶ沢のローソンからだと、15km/hを若干割るぐらい。なかなかのコースだった。

自分達がギリギリ隊と思っていたが、まだまだ後続がいた。弘前で仮眠していた方でも、海岸沿いに出てからのアップダウンがこれだけ続くとは思っていなくて、予想以上に時間がかかり、ギリギリになってしまったらしい。400kmの最後にしては厳しいアップダウンだったのでなるほど納得である。完走できてよかった。

お宿

今回のヘブンウィークで行きたいポイントの一つであった不老不死温泉、露天風呂にも入っておいた。大満足。

二本続けてのオーバーナイトランを含むブルベとなったため、真っ昼間ではあるが、不老不死温泉のロビーにランドヌールの死体がいっぱい転がることになった。不老不死なのに。洗濯を済ませ夕食までちょっと仮眠。

ひとみさんやAJ会長様を含むAJ神奈川隊は弘前で桜を見るためDNF、副会長様も同様に観光のためDNFということになり、夕食時にマヤさんから「AJの会長と副会長です。DNFした軟弱者です」と紹介された。

不老不死温泉の宿泊付きのエントリーが締め切られている中、外国人枠なら空きがあり、特別に申し込みさせていただいたということで、部屋の割り振りは外国人部屋となった。シンガポールやマレーシアのブルベ事情を聞くことができて楽しかった。仮眠したとはいえ1時間ほどなので、次の日に備えて早々に就寝した。

今回のヘブンウィークのいい点は休息の時間が十分にあるところである。300と400は午前中ゴールだけど、その日の午後以降は休めるのだ。基本的人権が尊重されていると感じる。頭のネジが緩いと午前中ゴール、そのまま午後スタートとかやりかねない。そういう意味でとても助かる。ここまで順調。

フレッシュを終えて翌日から参加のぜっとさんは近くの民宿に投宿し、ちょっとした暴力級の量の夕飯を出されていた。なお、天気予報を見てみなさんが明日の200kmではぜっとさんには風避けになってほしいと所望しておりました。